ヒーリエの町と生徒たちの反応
解散後は治安が良いこともあって特に問題なくそれぞれで観光を行っているようだ。
統治に成功している貴族家の生徒達はより良い統治をした結果だと思われるヒーリエの町を見て、何か自分たちの領でも取り入れられることが無いかと情報を集めていた。
貴族至上主義の貴族家の生徒たちは普段から交流があるのは同じく貴族至上主義の貴族たちのため領地の運営方法が似たようなものであり、貴族至上主義以外の貴族との交流は自分たちよりも格の劣る貴族家を選んで交流していた為に町の発展具合などの点で自身たちと同じくらいの貴族たちしか見てこなかったようで、ヒーリエの町を見て公爵家の統治する町とはいえ王族が統治する王都以外でこれほどの賑わいのある町がある事に衝撃を受けている様子だ。
貴族以外の生徒たちは将来なりたい職業や実家の行っている職業などによって何に興味がわくかが分かれているようだ。
ヒーリエの町に集まる商品に対して、冒険者ギルドの規模と冒険者達の多さや扱う武具の質の良さに対して、店舗や出店などで販売されている食べ物の種類や味についてなど他にも人によってさまざまな事に興味を持って町を見て回っている。
魔法学科の生徒たちは授かった天恵スキルの種類から国からは王国軍や王国運営の研究所などの国に仕える立場になって欲しいと思っているようだけど、俺は魔法というのはその使い方次第で無限に可能性が広がると考えている。
なので何か興味を持てる事があるのであればそれについて学ぶ機会なども与えてあげたいと思っている。
今回の課外授業はもともとはフィン・ヴァンフールを始めとした貴族至上主義の生徒たちの考え方の改善を狙ったものだけどその為だけに貴族領を見て回るのはもったいないと思って、このクラーク公爵領の領都であるヒーリエを選ばせてもらった。
このヒーリエという町はとてもよく統治されていて、治安が良いだけではなく国内だけでなく国外からも人や商品が集まってくる。
さまざまな考え方の人や珍しい品物を見たり触れたりすることで生徒たちに何か良い変化があるのではないかと思ったけど、生徒たちの反応を見ている限りはこの場所を選んで正解だったと思える。
そんな感じで順調に観光を終えて、今日の所は用意した宿でゆっくり休んで明日の他の領への課外授業に備えるのだった。