天恵スキルの種類ごとの指導方針
週に2~3回ほどの授業を始めてから1か月ほどでほとんどの生徒が魔法スキルを発動できるまでになった。
ここからは各人それぞれの天恵スキルと目的に合わせて指導の仕方を変えていく。
魔法学科には魔法関連の天恵スキルを授かった者達が集められていると聞いていたがその方向性はさまざまあるみたいだ。
強力な魔法を使えるようになるスキル。
魔法に関する能力を向上させるスキル。
魔力を使用した技能を使えるようになるスキル。
大まかに分けてこれだけの種類に分けることが出来る。
細かく分けるとさらに何種類にも分けられていく。
基本的な部分はどの系統でも必要になってくるが、それぞれの系統によって何を重視して鍛錬させて行くかを調節する事にした。
強力な魔法の場合は魔力制御と魔力量に力を入れる事にする。
威力や性能はその天恵スキルで既に十分な事が多いので、魔力制御と魔力量を上昇させる事によってスキルの発動できる回数を増やしつつ過剰な威力が出ないように調節できるようにする。
魔法に関する能力の向上の場合は魔力制御と魔法の発動に必要になるイメージの強化に力を入れる事にする。
魔法に関する能力の向上の場合は該当する能力が上達しやすいため、これらを強化する事で使用できる魔法の数を増やす事で出来る事の幅を広げる事にする。
魔力を使用した技能の場合は魔力制御とそれ以外にはその技能に合わせた能力やスキルの向上に力を入れる事にする。
魔力が関わるので魔力制御を鍛える事でスキルの効果や効率を上げる事を目指しつつ、技能によって求められる事が全然違ってくるのでそれに合わせて考える必要が出てくる。
そんな感じで大まかに指導方針を定めたうえで、それぞれの生徒にその方針とは違った希望が無いかも確認していく。
そうして基本方針と生徒たちの希望を合わせて考えて本格的に授業を進めていく。
数か月後、生徒たちそれぞれがかなり優秀な成長を見せており、徐々に俺の授業に参加する生徒の数も増えていった。
そんなある日新たに厄介ごとがやって来た…
俺がいつも通りに授業の準備を進めていた時に1人の生徒がやって来たのだが…
「お前が平民のくせに特別授業なんて開催して調子に乗っている教師か。
どうやってソフィア様やエレノア様に取り入ったかわからないがいい加減目障りだ。
直ぐに教師を辞めて学園を出て行け。
言う通りにしないと我がヴァンフール家を敵に回すことになるからな。」
それだけ一方的に言い残して直ぐに去っていった。
どうやらあれが今年入って来た貴族至上主義者の生徒だろう。
まあ。王様に頼まれて教師をしているわけだし問題ないはずだけど対応するのもめんどくさいな…
貴族至上主義者との初の出会いにうんざりしながら今日の授業の準備を進めるんだった…