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エレノア王女の理由?

エレノア王女の発言に俺は首をかしげる。

なぜ王女ともあろう方が強さを求めるのだろうか?


「強くなりたいってそれはなぜですか?

ソフィアさんが先ほど話していた内容から考えても、エレノア王女は書物をこのまれているのですよね?

王都中の本を読み終えたと言われているくらいなのであれば、運動が特別好きという事もなさそうだと思うのですが?」


エレノア王女の望みの理由がわからないので気になったことを確認してみる。


「そうですね。クリスさんのおっしゃる通り私は強くなることには本来興味は全くありません。

先ほど話に出たこの王都内の書物を読み切ってしまったというのが原因になりますね…」


書物を読み切ってしまった事と強くなりたい事がいったいどうつながるのだろうか…


「私はもっと多くの書物を読みたいのです。

なので父上に王都以外の場所を書物を求めて回りたいとお願いいたしました。

しかしそのような理由の為に、護衛を用意する事は出来ないので自分の身を守る事が出来るだけの、強さを手に入れたら、書物巡りの旅を許していただける事になったのです。」


何だかソフィアさんとエレノア王女。

俺に何かしらの指導を求めてやってきやってきたのは同じだけど理由は全然違うな…

ソフィアさんの深刻な理由に対して、エレノア王女の個人的な趣味から発生した理由…


王族からの願いなのですごく断りづらいけどなるべく断りたいところだ…


「その条件を提示されてから私も努力はしたのです。

兵士用の訓練に参加させてもらったり、有名な冒険者に指導してもらったり。

しかし適性が低いのかそれらが上達する感じは全くありませんでした…

天恵の儀にて授かるスキルによってはそれも解決するかもしれませんが、天恵の儀で授かるスキルの多くは天恵の儀に挑む者の性分に合った物の可能性が高いと言われています。」


それは自分も聞いたな、生まれ持った性格などにも影響があるのか近接攻撃を好んでいる人にはそれを強化する物か補う物が授かりやすいみたいだ。

その為、意外性のある物を授かったとしても、実際に使用してみるとしっくりくる事がほとんどだって聞いた。


「つまりエレノア王女の場合は書物を読むことに関係する様なスキルの可能性の方が高く、強さにつながるようなスキルを授かる可能性は望みが薄いって事ですね?」


「その通りです。

そこでクリスさんへのお願いに話が続くのです。

天恵スキルは期待が薄い。

通常の手段では上達を感じれなかった。

以上の2点から、自身でも天恵の儀式前にスキルを取得した事と、他者に対して同様にスキルを取得させることに成功した事を考えてクリスさんに指導をお願いしたく参った次第です。」


「そうだったのですか。しかし何もご自身が強くならなくとも他にも方法があると思いますが?

国から護衛を出せないのであれば、お金で雇うなり信頼できる者に護衛をお願いするなりすれば解決するでは無いですか?」


強さを求める理由は聞いたが、それ以外にも方法がある事を提示する…

むしろこれらの方法の方が俺が指導して強さを手に入れるよりも簡単だと思う。

書物を多く読んできたエレノア王女であればそれこそその知識量は多いだろう。

その知識を利用すれば金銭を稼ぐことも他の手段に比べて容易に達成できそうである。


「それも考えましたがそれでは護衛を失ってしまったらそれ以上の探索は不可能になってしまいます。

なのでやはり自身の強さを求めて行きたいと思っています。」


そこまで言ってからいったん言葉を止めて続きを話し始める。


「それにこれはクリスさんにとっても悪い事では無いです。

エミリーさんが先日会いに行かれたみたいなので聞いているかもしれませんが、今王都内では貴方に対して多くの貴族などが接触をはかろうと考えているようです。

そこで私のお願いを聞くことによってそれらの面倒ごとをまとめて解決する事が出来ます。

さすがに王都内には王族に逆らう事を考えるような存在はいないので、かなり快適に過ごせるようになるはずです。」


あー。やっぱりタイミング的に考えて、エミリーの雇用主は王族で警護対象がエレノア王女って事みたいだな…


それだったらエミリーが言っていたことを信じて受けてみるか…

エレノア王女を直接見た感じかなり不安だけど、王族からの依頼を受けているってだけで面倒ごとを回避できるのであれば良いと考えよう。


「わかりました。この件をお受けします。

ただし学園の授業などもありますので、今までソフィアさんの指導を行っていた時間帯に一緒に鍛錬をしていきましょう。」


こうして不安はありつつも、エレノア王女の願い事を聞いて指導する事になった。

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