表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/162

魔物の不自然な行動

封印補強用の石柱を回る事しばらく、12ヶ所あるという石柱も残り最後の一ヶ所になった。


「あれから魔物との戦闘が一度も無いですね…」


「これは絶対におかしいよね…」


「私の索敵系スキルで何度か補足出来た魔物がいたけど、どの個体も最後に残っている石柱の方向に向かって移動していた様に感じたわ。」


そうなのだ。警戒を強めて石柱の魔力を補充して回っていたわけだが、あの後一度も魔物が襲ってくることが無かった。

そしてグレースの探求心スキルによって強化された索敵系のスキルでぎりぎり索敵出来た範囲に何度か補足出来た魔物が一様に同じ方向に進んでいたそうだ。


「これは最後の石柱の周辺には魔物が大量に集まっている可能性が高いと思う。

問題はこれが魔物自身が自分たちを生み出す存在に協力しようと自己判断で行動しているのか、封印されている存在が生み出した魔物に何か指示のようなものを送る事が出来るのかって事だな…」


「えっと。魔物の行動の理由がその二種類が予測されるって事は私にもわかるけど、その二種類の違いに何か問題があるの?」


俺の発言に対してソフィアさんがそう質問をしてきた。


「うん。状況的にはどちらの理由でも一見変わらないように思えるよね。

だけどこの二種類には実は大きな違いがあるんだ。

スキルや戦闘経験から成長するのは人間だけではなくて魔物も成長するんだ。

それどころか一定以上の経験を積む事によって魔物は進化という自身の強さのランクを1段階引き上げる現象が確認されているんだ。」


「つまりクリスさんは、生み出された魔物が実は封印された存在の使役状態だとすると、魔物の得た経験の一部が封印された存在の経験になっている可能性を考えているんですね?」


「うん。もしもその経験によって封印された存在が進化した場合は、封印が弱まらなくても封印から抜け出してこれるようになる可能性があるって事だ。

封印されている存在は幻想級以上のランクだって話だから、もしも進化した場合は世界ワールド級以上になってしまう。

そうなったら対抗する手段が現状では無いからね…」


「封印が完全な状態では魔力が全く漏れる事が無かったそうだから、封印を完全な状態に戻す事と一緒に生み出された魔物の殲滅も念入りに行う必要があるわね。

終わったら国にこの場所の管理も申請しないと…」


俺の説明に関してその危険性から、グレースは今後のこの場所の管理まで考えを巡らせ始めたようだ…

確かに予想通りだった場合国を挙げて安全に管理しないといけない場所だからね。


「とにかく急いだほうが良さそうだし俺が前衛に出るから、エレノアさんは前衛用に使っていた傀儡を後方支援や火力に割り振ってくれ。」


「わかりました。クリスさんが前衛に出てくれるんだったら、殲滅速度を優先して編成しますね。」


石柱の位置をだいたい把握できたので、気をつけてさえいれば石柱を破壊してしまう可能性を考える必要は無いから思い切って戦う事が出来る。

どれだけの魔物が集まっているかわからないけど最悪の事態を避けるためにも張り切っていこう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ