調査開始
出来る準備を済ませて封印補強の為に出発する。
「それでは出発します。
私の所属しているギルドの人員が見張りをしていますので、何か変化があったらすぐに報告が来る事になっています。
ギルドの人員は今の段階でも該当地域に発生している魔物を相手には戦力外だと思ってください。
実際に封印の補強の為に動くのは私とクリス、ソフィア様、エレノア様、の4名になります。」
ふむ。グレースの所属しているギルドは戦闘力も比較的高いはずだから特級の魔物相手でも対抗できるはずだったよな…
それが戦力外って事は結構な数が生み出されているのかな?
まあ。俺は所持しているスキルのランクの関係でごり押しできるし、ソフィアさんとエレノアさんは以前のダンジョン攻略の経験で多数を相手にするのも長期戦にも慣れているので、もしも出てくる魔物の数が予想以上だったとしても充分対応可能なはずだ。
むしろ数合わせの為に実力の足りていない人員を導入すると目的達成の為の時間が余計にかかってしまう気がする。
そんな感じで王都から目的地までは結構距離があるので馬車で移動しながら事前に打ち合わせを済ませていく。
「この山に封印があります。元からなのか封印されている魔物や封印自体の影響なのかわからないけど常に濃い霧が発生していて霧自体に魔力が含まれているみたいで魔力での感知や中に入った人の五感を狂わせる効果があるようです。
クリス達の実力だったら問題ないと思うけど、この霧については解明できていない事もあるから十分に注意してね。」
「了解。しかしこの霧はかなり広範囲に発生しているみたいだけどこの状況でよく情報をあれだけ集める事が出来たね?」
グレースから事前に聞いた情報はかなり詳しい内容だった。この状況の場所についての情報をあれだけ細かく手に入れるのはかなり大変だったんじゃないだろうか?
「あー。それね…
それについては私の天恵スキルの探求心がうまく機能してくれたおかげね。」
どうやら今回の情報はギルドの人員が協力して頑張ったとかではなく、グレース自身の努力の成果のようだ。
やはり天恵スキルは使いこなすと予想以上の効力を発揮できるな。
そんな事を考えつつ、封印補強用の石柱の調査を始めるのだった。