英雄級魔物とソフィアさんの取って置き。
索敵用の傀儡に対しての増減の魔眼の使用はとても有効的でなんと索敵した魔物の大まかなランクとステータスを把握する事が出来るようになった。
その為今まで以上に実際に戦闘に入る前の準備が万全に行う事が出来るようになり、攻略の速度がさらに上がった。
そしてついに英雄級の魔物が初めて出て来た。
「止まってください…
魔物を発見しました。今までの魔物とは強さが違います。
おそらく英雄級の魔物だと思われます。」
その報告に緊張が走る。
現在人間種の到達で来ているランクは英雄級までだと言われている。
そんな人間種にとっての最高ランクの魔物が出て来た事にソフィアさんもエレノアさんも緊張せずにはいられないらしい…
「2人とも落ち着いて。
エレノアさんまずは相手の情報を今まで通りに少しでも多く正確に報告を。」
危険な状況ほど正しい判断を下さなければ危険性が増す。
相手に対しての正確な情報が無ければ正しい選択をする事は無理がある。
相手に気づかれる前に見つけることが出来たのだから落ち着いて状況判断をするべきだ。
「はい。相手は単体で行動中の様で、ステータスは力と耐久が高いようです。
速さは低めなようですがそれでも特級の平均値くらいの速さがあるので油断したら危ないです。」
「それで?どう対応するべきだと思う?」
「…私は一度戦闘をしてみる事を提案します。
あの英雄級の魔物はダンジョンの守護者ではありません。
という事はこれからの階層では英雄級の魔物が普通に出てくるという事です。
でしたら今回の様に対応しやすいステータスの魔物でどれだけ私たちの力が通用するかを確認しておくべきだと思います。
特にソフィアさんの衝撃の魔眼に魔法の上乗せと増減の魔眼での威力増幅でどれだけ相手の体力を削る事が出来るかを確認しておきたいです。
耐久の高い英雄級の魔物に対してどれだけの効果が望めるのかを把握しておけば今後の魔物に対する参考になりますから。」
俺の質問に対して一瞬考えるそぶりを見せた後すぐにそう提案してきた。
うん。なかなか良い感じで考えられているな。
確かにこの魔物に対してソフィアさんの攻撃が通用するのであれば他の英雄級が出てきても有効な攻撃方法が無いって事にはならない。
衝撃の魔眼は元々物理耐性、魔法耐性のどちらも関係なしにダメージを与える事が出来る攻撃手段だ。
なのでその威力がどれだけ相手に有効かを知る事はかなり重要な要素だ。
「うん。それが良いと思う。ここで戦闘を避けてもこのダンジョンの攻略を続けるのであればいずれ英雄級の魔物とは遅かれ早かれ戦う事になるだろう。
だったら早めに体験しておいた方が今後に生かせると思う。
ソフィアさんはそれで行けそう?」
「任してください。魔眼と合成魔法の組み合わせもいろいろ工夫していて取って置きのがあるんです。」
という事でこちらの攻撃が届くギリギリの範囲から目標の魔物に対して攻撃をする事にした。
ソフィアさんが衝撃の魔眼に合成魔法を上乗せしさらに増減の魔眼で威力を増幅攻撃を相手に放つ。
魔眼系の攻撃は目視した場所に直接効果を発揮するので事前に知っていればともかくその攻撃を避ける事はほぼ不可能だ。
案の定その攻撃を避ける事が出来なかった魔物に直撃する。
今まで衝撃の魔眼に魔法を上乗せした時は普通に衝撃の魔眼の発動した時と一緒で一撃だけ相手に衝撃が入る攻撃だったのだが、今回の上乗せした合成魔法との組み合わせの影響なのか複数回衝撃を発生させているようだ。
しかも一回ずつの威力も特に落ちているように見えない。
その攻撃を受けた魔物は倒れてそのまま起き上がる事が無かった…