ファームラビットに対する冒険者ギルドの判断
冒険者ギルドがファームラビット達を友好的な魔物だと判断したのは学園の学習周期が切り替わって新しく学園に通う生徒達を向かい入れる準備が始まる時期だった…
これでも冒険者を無駄な危険にさらさないように情報の収集と解析している冒険者ギルドとしては早めの判断だったらしい。
ファームラビット達に指示した内容はダンジョン内で困っている人間種がいたら手助けしてあげるようにと伝えていたのだが、しばらくしたら人間種と出会う事に慣れてきたとの報告が上がって来た。
そこでダンジョンの外からやって来た魔物だと冒険者ギルドに納得させる目的でダンジョンの外でも活動してもらう事にした。
そうして活動をさせていたのだが、俺が思っていたのとは違う方向性で困っている人たちを手助けしている事が多かったようだ。
大手の商会が取り仕切っている行商人のグループの中から、例年とは比べ物にならない質の作物を持ち帰る者が多数いたのだが、商人や料理屋などではいくつかの貧しい村で兎が畑に何かをしたと思ったら翌日から作物が成長し始めたという噂がだんだんと広がっていたのだ。
どうやら天候の関係で作物の出来が良くなかった村に立ち寄ったファームラビット達が手を加えたらしい。
他にも近くの町まで行くのに険しい岩山が間にある為に大きく迂回しなければならなかった為に片道10日かかっていた村ではいつの間にか通り抜けられるトンネルが出来ており、中には光るコケが生えていてそこを通れば半日で町までいけるようになったりなど。
何故か開拓関係で人助けをしている事が多かったようだ。
一応俺の想定していた様に危険な魔物から人々を守る事もしていたようだが、人々の話題に上がったのは開拓関係の話の方が多かった。
場所によっては神の使いと言われ始めているらしい…
ただこれがよかったようで、人間種に危害を加えないどころか高い知性をもっていて友好的な存在として、冒険者ギルドに認識され討伐禁止の魔物として認定される事になった。
しかし世界樹の森には人間種をまだ受け入れられないファームラビット達の方が多くいるので、そちらは人前に出せないな…
まあなんにしてもこれでやっとダンジョン攻略が進められる…
学園に新入生がやってきたら授業の関係で忙しくなりそうだし
時間が取れるうちに進めておこう。