新出現の魔物の調査…
新しく目撃された魔物たちについて冒険者ギルドが現在把握している事をまとめた資料を確認してみる事にしたが俺たちにとって見覚えのある内容だった。
「何だか。私たちが踏破した事のあるダンジョンでの目撃情報だけじゃないですか?」
「確かに…。私たちが攻略していた時にはウサギ型の魔物なんて見かけなかったのに…」
2人の言う通り目撃情報があるのは俺たちが踏破したことがあるダンジョンと同じ場所の名前が羅列されている。
「そうだね。確かに俺たちが踏破したことがあるダンジョンばかりだけど、俺たちが踏破したダンジョンの数は結構な数になるから偶然の可能性の方が高いと思うよ。
とりあえず目撃情報のあったダンジョンに確認しに行ってみよう。」
現状の情報だけでは何とも判断できないので、実際に新しい魔物の姿を確認するためにダンジョンに潜ってみる事にする。
そして手ごろなダンジョンに早速来てみたのだけど、ダンジョンに入ってすぐに俺にとっては原因が何にあるのかを理解する事になった。
何でこのダンジョン内に俺の所のファームラビットがいるんだ?
俺が直接テイムしているのはファームラビットキングのみだけど、その部下であるファームラビット達とも間接的に繋がりが出来るのだが、ダンジョンの内部と外部でその手のものがうまく機能していなかったのかダンジョン内に入るまでこの場所にいつの間にかファームラビットがダンジョンに来ていることに気づかなかった…
俺は慌ててファームラビットキングに念話を送る事にした。
『ちょっと聞きたいことがあるのだけど、いつの間にか他のダンジョンにファームラビット達がやってきているみたいだけど、これはどういう事なんだ?』
『これは主様。他のダンジョンというと世界樹の精霊様が新しく支配下に治めたダンジョンの事でしょうか?
世界樹の精霊様に新しいダンジョンにはあまり深く干渉しないようにと仰せつかったので、比較的若い者達を中心に人間種に慣れてもらうのを目的にたまに巡回をさせておりますね。
主様のご友人に対して部下たちが失礼な態度をとっていたとの事ですので、少しでも改善していければと思いまして…』
『わかった。ありがとう。世界樹の精霊に関してはエルフ族に確認してみるよ。』
とりあえず世界樹の精霊についてエルフ族に確認するために2人に軽く状況を説明して調査を中断して王都まで送って解散する事にした。
「2人とも申し訳ない。状況が確認出来たら報告するから…」
そう言って2人と別れてエルフ族の所に転移する。
転移するとそれを察知したのか直ぐにリリーがやってくる。
「クリス様ようこそいらっしゃいました。本日はどうされましたか?」
「やあリリー。元気にしてた?
実は確認したいことがあるんだけど、ファームラビットキングから世界樹の精霊が新しくダンジョンを支配したって話を聞いたのだけど、どういうことなのかを聞きたくてやって来たんだ。」
さっそくリリーに対してファームラビットキングから聞いた話を確認してみる。
「少々お待ちください…ただいま確認しますので…」
そう言って世界樹から出て来た光の塊と何やらやり取りをしている。
「お待たせしました。
お話を伺った所、世界樹の精霊様とクリス様の間にある魔力の回路を通じてクリス様がダンジョンを踏破したタイミングでダンジョンに存在してるダンジョンコアに干渉してダンジョンを自身の支配下にしたそうでして…
どうやら自身の活動出来る範囲を広げる事が目的だったそうでして、クリス様の前に出れる姿をとれるようになった時に少しでもついていける範囲を広げたいのだそうです。」
えーと…。そういう理由でだったか…
しかしこれは冒険者ギルドにどう説明したものか…
そのままの状況を説明するわけにもいかないし何かそれらしい理由を考えなきゃ…
さて…どうしたものだろうか…