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異世界無双の召喚者 ~無限に使える召喚術が普通に異世界最強でした~  作者: 風来山


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18.召喚者、スライムを喚び出す

 ここがミスリルの丘か。

 ギルドでもらった地図通りに馴染みの森を抜けると、ゴツゴツとした岩肌がところどころに露出した丘にたどり着いた。


 いかにも鉱物が掘れそうという感じの地形である。


「さてと、テトラおはよう」

「おはようなのだ、あるじ。今日は何をするのだ」


 従魔契約を結んでいるおかげで、アキトの持っている白い宝玉から一瞬で出てきたテトラが質問する。


「うん、まずは新しいモンスターを召喚しようと思ってな」


 オーク相手でも通常戦闘はテトラに任せれば十分だろうが、今度はサポートする役割のモンスターが欲しいのだ。

 この世界は急にドラゴンが襲ってくるようなこともあるようだから、回復魔法が使えたりするとありがたい。


 その上で、できれば使用魔力が低い者がいいな。

 さっそく、魔王からもらった黒い宝玉に都合のいいモンスターがいないか聞いてみる。


『それなら、便利スライムがいい』

「便利スライム?」


『スライムはもっとも低い魔力で喚び出せるモンスターの一つだが、何でも食べて無限に増殖する【分裂】というスキルを持っている』

「最初の一匹だけ呼び出して増やせばいいというわけか」


 コストパフォーマンス抜群だな。


『その上、スライムは無限の進化の可能性を持っている。便利スライムは、魔族が生活を便利にするのに品種改良を重ねたスライムだ。何でも食べるから掃除や廃棄物の処理にも使えて、食べさせるものによっては回復ポーションの製造に使えたり簡単な魔法を使えるスライムにだって進化させられる。用途については、説明しきれぬほどだ』

「なるほど、決まりだ」


 さっそく、アキトは便利スライムを喚び出した。

 魔法陣から、青いゼリーの塊のようなものが顔を出す。


「これは、食べられるのか?」

「食べちゃダメだぞ」


 テトラが妙なことを言うもので、スライムがふるふると震えて怯えているように見える。


「怖がらなくていい。ちょっと手助けをしてもらいたくて喚び出したのだが、話はわかるか?」


 話が通じているのか、通じてないのか、ふるふると震えている。


「うーん、でもさっき怖がってたようにみえたから、言葉は通じてるようにも思うんだがなあ」

「あるじが名前をつけてやれば、我のように賢くなるのではないか」


 テトラがそんなに賢くなったように見えないのだが、意思疎通ができるようにはなってほしい。


「そうだな。じゃあ、最初のスライムだし賢くなるように願いを込めて名前をつけよう」

「あるじ、スラちゃんはどうだ?」


 そういう安易なのはダメだ。

 これからスライムを増やしていくリーダー的な存在になるんだから。


「スライン。お前の名前は、スラインだ」


 ポン! と、スライムが飛び跳ねて変化した。


「あるじさま」

「おお、喋った!」


「私はスライン。賢者スライムです」


 そういえば、なんか賢そうな冠を被り、髭のようなものを口元にちょろっと生えている。

 賢者の杖を持ってアピールしてくるが、賢者というより軍師にも見えるけどな。


「最強賢者スライムです。あるじさまのスライム軍団を束ねる軍師の役割も兼ね備えてます」


 なんかさらに最強と軍師を上乗せしてきた。

 ちょっと欲張り過ぎだ。


 しかし、スライムに最強だの賢者だの軍師だのと言われてもなあ。


「うーん」

「あるじさま、さすがにそれはないだろうと思いましたね」


 得意げにふるふると震える賢者スライム。


「鋭いな、もしかして心を読めるのか」

「簡単な推理ですよ。あるじさまの靴についている泥を見ればわかります」


 今度は名探偵みたいなことを言い出した。

 まあ、頭がいいのはわかった。


「これも、あるじさまが賢くあれと願いを込めてくださったおかげ。無事に従魔契約がなりましたので、私の命を捧げましょう」


 スラインに、青い宝玉を渡される。

 これを使えば、いつでも好きな時に喚び出せるというわけだ。


「それでなんだが」

「ああ、皆まで言わなくてもこのスライン。全てを悟っております。まずあるじさまが採取された薬草を、私に大量に食べさせてください」


 言われるままに、山盛りの薬草を食べさせてみる。

 むしゃむしゃパクパク。


 すると、ポコンと分裂した。

 出てきたのは白いスライムだ。


「これは、回復スライムです。あるじさまにご挨拶なさい」

「あるじさま、ホワイト!」


 今のが挨拶なのか。

 ホワイトってどういう意味だよ。


「回復スライムは、簡単な回復魔法が使えます。薬草を食べさせると、回復ポーションを製造したりもできます」

「こいつは便利だな」


 本当にできるかと回復スライムに薬草を食べさせてみると、ポコンと青い液体の入ったポーション瓶を吐き出した。

 瓶はどっから出てきたのかとかはもう聞くまい。


「砂を食べて生成してます」


 いや、賢者スライム。

 ファンタジーの魔法で納得してるんだから、いちいち説明しなくていいぞ。


 でもスライムは何でも食べて素材に変えられるとか、性能が便利すぎるな。

 さすが便利スライムという名前がついているだけのことはある。


 確かにこんな生物がいれば、便利スライムを生活に使役している魔族は快適に暮らしていることだろう。

 しかし、これは面白くなってきたぞ。


 今後スライムをどういう進化をさせていくか、なんだか楽しみになってきた。

 まず回復スライムを増やして、回復役を充実させてみるか?


「あるじ、ちょっといいか」

「どうしたテトラ、今忙しいところなんだが」


「あっちで、オークと冒険者たちが戦闘してるのだ」


 テトラが指した指の先には、八人ぐらいの冒険者たちとその倍はいるオークの軍団とが戦闘状態に入っていた。

 冒険者がかなり苦戦しているようだ。


「これは加勢にいったほうがいいな」

「わかったのだ。いくのだー!」


 さっそく戦闘にテトラが飛び込んでいき、俺とスライムたちも後を追っていくのだった。

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