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異世界無双の召喚者 ~無限に使える召喚術が普通に異世界最強でした~  作者: 風来山


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13.召喚者、ドラゴンと遭遇する

 また、十匹ぐらい一瞬にしてゴブリンが殺された。

 虎の爪を振るうスピードが速すぎて、残像が見える。


「こっちには、もっと多くの群れがいるのだ!」


 アキトの仕事は、森で暴れまわるテトラの後について死体を空間収納にしまうだけなのだが、数を数えるだけでも疲れてきた。

 あれ、さっきのゴブリン。二百二十匹目だっけ、二百十九匹目だっけ。


「おや、なんかでかいのがでてきたな」

「あれは、ゴブリンロードなのだ。ボスなのだ」


 群れのボスというのはわかり易い表現だ。

 ゴブリンを殺しまくっているアキトたちに業を煮やしたのだろう。


 大量のゴブリンたちの群れがやってきて、その中央に通常のゴブリンの五倍はあろうかという巨大なゴブリンがいた。

 粗末だがちゃんと細かい金属製の板を張り合わせた鎧を身につけて、サビだらけだが巨大な斧をまで構えている。


 ゴブリン基準でいくと、あれが君主ロードということなのだろう。


「ギョェー!」


 ゴブリンロードは、想像よりも甲高い声で叫ぶと、こっちに攻めかかってくる。


「で、瞬殺しちゃうのね」


 普通のゴブリンを倒すのと、何も変わらなかった。

 前も強かったのだが、アキトが名前を付けてホーリーなんとかになってから強さが格段に上がっている。


 ワータイガーの上位種であるテトラには、ゴブリンロードも雑魚だったようだ。

 斧を振り終わる前に、他のゴブリンと一緒にテトラに首を飛ばされたのは、いっそ哀れだった。


「あるじ、何か言ったかなのだ?」


 いや、冒険ってこんなもんだったかなあと。

 苦労したくはないから、いいんだけどね。


「おや、なんかあるな」


 ゴブリンロードの死体の近くに、白銀だろうか。

 アキトは、キラキラと光る金属の塊を発見した。


「それは、ミスリルなのだ」

「へー、これがミスリルか」


 白銀だったらこんなに軽いということはあるまい。

 軽くて丈夫なファンタジーの魔法金属である。


 綺麗だから、拾ったゴブリンロードが宝物にしていたのかもしれない。


「もう近くにはゴブリンはいないようなのだ」


 まだ働き足りないのか、残念そうにテトラはつぶやく。

 もうアキトも討伐数を数えるのを諦めてしまったのだが、確実に三百匹は超えている。さすがにもう十分だろう。


「さすがに、もうそろそろ帰ろう」


 空間収納にはまだまだ入りそうだが、働きすぎを戒めないとと思っていたところだからな。

 アキトは、そう思ったのだが……。


「あるじ、下がるのだ!」


 これまで無邪気にゴブリン虐殺を繰り返していたテトラが、真剣な顔つきになった。


「どうしたんだ、うわ!」


 聞くまでもなかった。

 空から飛来したのは、赤褐色の鱗を持つドラゴンである。


 安全な初心者用の仕事を選んだのに、なんでいきなりドラゴンだよとアキトは思ったが、そんなことを言っている場合ではない。

 ドラゴンは、さっきのゴブリンロードの何倍も大きい怪獣だ。


 そいつが、先手必勝とばかりにこっちに炎のブレスを吐きかけてきた。


「ぎゃあああああ!」


 アキトのほうにも熱波の余波がきたが、それどころではない。


「こいつ!」


 従魔のテトラをやられて、頭にきたアキトはさっきのミスリル塊と交換に武器を召喚する。

 なんでもいい、ドラゴンを倒せる武器、武器!


 アキトが出した召喚陣から、拳銃だのライフルだのが飛び出してくる。

 こんな豆鉄砲では……そうか!


 これなら倒せるかも!


「これでも喰らえ!!」


 アキトが構えたのはロケットランチャーだ。

 召喚で出した物の使い方は、自然とわかるようになっているらしい。


 アキトはよどみない動きで肩に担いだランチャーの安全装置を外して、ロケットをぶっ放した。


 バッシュ!


 空気を切って飛んでいったロケットは、ドラゴンに命中して粉微塵に粉砕した。

 バラバラと肉片が辺りに散らばる。


「ロケットランチャーの威力やばいな」


 ファンタジー魔法どころの騒ぎではない。

 あまりの速度と威力に、撃ったアキトが呆然とした。


 吹き飛んだ竜の首が、ドスンと落ちてきて転がる。


「あ、テトラ。大丈夫か!」


 テトラは、うめきながら起き上がる。


「うう、結構痛かったのだ。でも、ドラゴンを倒せるなんてあるじはすごいのだ!」


 そんなことを言ってる場合じゃない。

 傷の様子を調べる。


 ところどころ焦げてしまったテトラは、着せたシャツがほとんど原型を残さない状態になっていたが、幸いなことに表面を炙られただけでそこまで酷い火傷ではないようだ。


「回復ポーションが市場に売ってなかったんだよな」


 何か治療薬がないかと思ったら、そういえば自分は薬草を摘んできたではないか。

 どれほどの効果があるかもわからないが、やらないよりマシだろうとテトラの肌に薬草をペタペタと貼っていく。


「大丈夫だ、もう元気になったのだ」

「本当に大丈夫なのか」


 もしあれなら、回復ポーションも召喚でだしてもいいのだ。

 それなりにお金はかかるだろうが、それぐらいの金貨ならまだある。


「我はホーリーワータイガーなので、自己回復力があるのだ。ほれみるのだ」

「わかったからまだ薬草は貼っておけ」


 自己回復力というのは本当なのだろう。

 傷は急速に治っているようだが、なんでわざわざ胸に貼った薬草をめくるんだよ。


 わざとやっているのかと思ったが、そうではないらしいとアキトはため息をつく。

 テトラはもともと服を着る習慣がなかったので、何かを身につけるのに慣れてないのだろう。


 そうは言っても裸のまま一緒に歩かれても困るので、街に帰ったらなるべく動きやすそうな女性物の服を一揃い買っておかなきゃなと思うアキトだった。

召喚術、普通に強い。

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