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異世界無双の召喚者 ~無限に使える召喚術が普通に異世界最強でした~  作者: 風来山


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11.召喚者、ゴブリン退治と薬草の採取を引き受ける

 魔王を召喚して魔力不足だったせいかぐっすりと眠れたアキトは、次の日に早々に冒険者ギルドを訪れた。


「おいあいつ、例のルーキーだぞ」

「ほう、あれがグラントのバカを一撃で病院送りにしたって男か」


「ギルドマスターも、即座にBランク認定したそうだな。ルーキーがいきなりBランクって何年ぶりだよ」

「勇者パーティーにも加わってるという聖槍せいそうの聖騎士クリスティナ以来ですから、三年ぶりになりますか。大したものですね」


 なんか冒険者たちがざわついてるが、無事にBランク冒険者になったアキトはそんなことは意に介さず、ギルドの受付の方に行く。


「あー、アキトさん。こっちこっちー!」


 受付は、クレアさんが担当してくれるようだ。

 早速、説明を聞いたアキトは、仕事の依頼が張られている掲示板からこれとこれをお願いしますと即座に選んだ。


「ええー、アキトさんがこんな簡単な依頼を引き受けるんですか。ゴブリンって、Fクラスモンスターですよ?」

「はい、それでお願いします」


 アキトが選んだのは、王都の近くの森のゴブリン退治と、薬草の採取。

 どちらも、Fランクが受ける初歩的な依頼である。


「Bランクのアキトさんでしたら、もっと相応しい依頼がありますよ。ほら、Cクラスモンスターのワイルドウルフ退治とか、Bクラスモンスターのワイルドベア退治だっていけちゃうかも」


 やけにワイルドなモンスター退治ばかりを勧めてくるクレアに、アキトは苦笑する。


「ギルドマスターが言うには、俺には常識が足りないみたいですから。まずは初歩的な依頼を受けて、冒険者として勉強しようかなと」

「もう、お父さんは余計なことばっかり言って。私はアキトさんなら、すぐにAランクの英雄にだってなれると思ってるんですよ」


 クレアがそう口を尖らせて可愛らしく言うのを、Aランクにはなりたくないアキトは笑って受け流す。


「だって、初試験でいきなりBランクなんて、うちのギルド始まって以来の快挙なんですよ! もし一人が不安なら、ベテラン冒険者とパーティーを組むのはどうです。Bランクのアキトさんと組みたい人なら、いっぱいるんです。最強パーティーで連携すれば、きっとAクラスモンスターのワイルドドラゴンだって倒せますよ!」


 だからそのワイルド押しはなんなのだと、アキトは吹き出してしまう。

 そういえば、アキトがギルドに入ったときにざわめきが起こっていた。


 ギルドマスターに認められた有望株だとの評判を聞いて、アキトをパーティーに加えたいという人たちもいるんだろう。


「それもちょっと。いろいろと勉強したいので、まず一人でやってみます」


 アキトとしては、いまさら他人に合わせて行動するのも面倒だった。

 クレアがいろいろ気をもんでくれるのはありがたいのだが、アキトはそれらの勧めを断って、さっさとゴブリン退治と薬草の採取の依頼を受ける。


「うーん、そうですか。ゴブリンも最近すごく増えて近隣の人達が困っているっていう話ですので、引き受けてくれるのは助かります」

「どれぐらい狩っていいものなんでしょう」


 依頼書には、どれだけとか何匹とか書いていない。


「多ければ多いほどいいですよ。他のモンスターを倒した場合でも、素材として使える死体は適価で買い取りします」

「なるほど、それじゃあなるべく多く狩ってみます」


 どちらの依頼も、アキトのスキルがあれば簡単に達成できるはずであるが、油断はしない。

 アキトは、くたびれた背広とシャツを脱いで、街で購入した冒険者用の動きやすい服に着替えて準備を整える。


 日本からもっと高性能な装備を取り寄せてもいいのだが、この辺りはファンタジー気分を楽しみたいアキトの気分というものだ。

 冒険に趣味を優先する感覚が、すでに常識はずれだということにアキトは気がついていない。


「さてと、いくか」


 冒険の旅に出るなんてまるで子供の頃にもどったようで、アキトは心が躍る。

 近くの森に入っていくと、雑草に交じって薬草らしき植物は、すぐに見つかった。


「鑑定っと、そのまま薬草って名前なのか。大雑把で笑ってしまうな。ふーむ、この草が薬になるのか」


 青々としていて、いかにも健康によさそうな草だ。

 回復ポーションの材料にもなるらしい。


 しかし、鑑定名って結構いい加減なものだ。詳細鑑定とか、もっと詳しく知るスキルもあるのかもしれない。

 雑草って草はないと教わったことがあるのだが、この世界では薬草と雑草しかないようだ。


 あっ、でも山菜というのもあった。これは食べられるようだ。


「探せばもっと珍しい草もあるかもしれない。面白いもんだなあ」


 わりとざっくりしたことしかわからないのだが、要はその植物が何に使えるかがわかればいいわけで、鑑定は十分に便利なスキルといえる。

 詳しく見ていくと、硬めのツタとか、しびれヨモギとか、何に使うのかわからない名前の植物もある。


 とりあえず、空間収納に放り込んでギルドで見せてみることにしよう。

 こうして森に入っていろんな草花を鑑定して見ているだけで、アキトはなんだか心がなごむ。


 こんなふうに、自然と触れ合うのはいつぶりだろうか。

 これでお金を稼げるというのだから、冒険者というのは楽しい仕事だ。


「おや、あれがゴブリンってやつかな」


 向こうの草むらから、ゴソゴソと醜悪な顔の小鬼が三匹でてきた。

初冒険

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