二話〜家族〜
〜翌朝〜
私は目覚まし時計の音で目を覚ました。 時刻は午前6時。 少し起きるのが遅れた。
着替えて欠伸をしながらリビングに降りるとそこには優愛がいた。
「···へ? 」
相変わらずオーバーリアクションなのかもしれない。
私がそんな声を上げると優愛はこちらを向いて
「おはようございます。勝手に朝ごはんを作っています。申し訳ございません。」
と頭を下げた。
「···いいんだよ! ありがとう! 私いつも朝は食べないからさ···あと、敬語禁止、すぐにそうやってペコペコするの禁止ね! 」
私が言うと優愛は顔を上げ、驚いた表情を見せた。
「あ···は、う、うん、分かった! 」
すぐに頷くと笑った。
私は思った。
出会った時はかなり神秘的な雰囲気の少女だったのに、素ではこ んなに天然かつ、ドジなんだなと。
そしてその後、優愛の作った朝ごはんを食べながらずっと考えていたことを口にする。
「あのさ、入れ替わりの件なんだけど」
そう言うと優愛の食べる手がピタリと止まった。
「入れ替わってあげる! 私、そうゆうの体験したかったんだ! 」
その瞬間優愛は驚きとともに喜びの表情を見せた。
優愛が話し始める前に私が口を開く。
「優愛が何のことで悩んで入れ替わってって言ってるのかはわからないけど、優愛のためになるんだったら何でもするよ! 家族の願いでもあるしね! 」
こう言った。すると優愛はさらに笑顔を浮かべて
「ありがとう! やっぱり美琴ちゃんに頼んで良かった! 」
「あっ! 」
私が大きな声を出すと優愛はびくっとしてこちらを向いた。
「あぁごめんね、じゃなくて! ちゃん付けも禁止! 分かった ? 」
優愛はほっとした表情を見せ、すぐに
「分かった! 」
と口にした。
優愛には、入れ替わる上でやって欲しいことをすべて話した。
例えば、宿題、キャラ、友達の事など。
国語力の低い私の説明をいっぺんに理解した優愛はすべてノートにメモをとっていた。