スライムの酸攻撃は痛気持ちいい。その5
バァーッと書いたので、後で色々修正するかもです。読みにくくてスミマセン。
僕達二人は完全に油断していた。
オークを走って撒いたと思っていたが、どうやら奴は僕達二人の匂いを追って僕達を追い掛けて来たのだ。
オークの嗅覚を甘くみていた。
「ブフゥゥ・・・ブフゥ・・・!!!」
オークの鼻息が荒い。
奴は既に戦闘態勢に入っている。
どうやら此処で奴と戦うしかない!
此処で逃げたら奴は近隣の村を襲うかもしれない。
それに僕ら二人が逃げなければこうはならなかったのかもしれない。
責任の一端は僕達二人にもあるのだから。
けれど、僕達新米に一体何が出来る!?
今の僕らじゃ全く歯が立たないのは目に見えているのに・・・何でこうなった!?
あぁ・・・もう!幾ら考えても仕方が無い!!
やるっきゃないんだから!
アリアさんは、既に戦う覚悟が、出来ているのか剣を抜いて構えている。流石切り替えが早い。
「アリアさん!奴は動きが鈍いので、アリアさんのスピードで翻弄して下さい!」
「分かった!ミシェル!あんたはどうするの?」
「僕は、アリアさんが奴を引き付けてる間に一撃をお見舞いしてやりますよ!」
「怪我してるんだから、無理するんじゃないわよ!?」
「分かってますよ!だけど!多少無理しないと奴には勝てないですよ!」
「言ってくれるじゃないの!さぁ!戦闘開始よ!勝ってギルドへ帰るわよ!」
「はい!!!」
アリアさんが、持ち前のスピードでオークの間合いを詰め、奴の力任せの攻撃を華麗に避け、切りつけるがスピード重視である分切り口が浅く有効打に至っていない。
僕は、オークがアリアさんの動きに手こずっている間に奴の後ろへと回り込み剣を降り下ろした。
「なっ!?」
オークは咄嗟に降り下ろした剣を避け、持っていた槍を水平にして振り切った。
「ぐぅ・・・っ・・・はっ・・・!!!」
思い切り振り切った槍が僕の腹部へと当り僕は反動で吹き飛ばされた。
幸い柄の部分が当たったので致命傷にはなっていないが、それでも負ったダメージは少なくない。
「ミシェル!!!」
アリアさんがそれを見て僕の名を叫ぶ。
あちこち痛い。気を抜くと意識が飛びそうだ。
でも、ここで飛んだら二人とも殺される。
僕はそう考えながら、気力振り絞り立ち上がった。
アリアさんも何とかオークの攻撃を凌いでいるが、疲労もあり、余り時間がない。
チャンスは後良くて1回位だろう。
もう一度、剣を構える。今度こそは失敗しない。
僕は、【ラーニング】した【酸攻撃(小)】を剣に付与した。
「アリアさん!もう一度だけお願いします。次は外しませんから!」
「分かったわ!この借りは高く付くからね!」
そう言うとアリアさんは、オークの攻撃を避けながら、連続で切りつける。
「こぉーのぉー終わりだ!」
僕は痛みに耐えながら、オークに向かって走って行き、背中目掛けて思い切り剣を突き刺した。
ズブズブと肉にめり込む感覚が手に伝わる。
そして剣に付与した酸がオークの体の中を焼き焦がす。
「ピギィ――――っ!」
オークの断末魔の叫びともとれる鳴き声が、木霊する。
オークが方膝を着いた隙にアリアさんが追撃し、心臓を突き刺すと、オークはその場で崩れ落ちた。
「やった・・・倒した・・・?」
僕が半信半疑で答えるとアリアさんが
「倒したに決まってるでしょ?私達二人で、オークを倒したのよ。もっと喜んだら?」
「そう言うアリアさんこそ、実感無いじゃないですか!」
「うっ・・・煩いわね!」
「プッ・・・アハハハハッ!!」
僕達二人はお互いの顔を見合せ大声で笑った。
「お互い満身創痍ね。」
「そうですね。毎回こんな感じが続いたら命が幾つあっても足りないですよ。」
「それもそうね。もっと私達強くならないとね。それと仲間も増やさないと、この先やっていけないしね。」
「そうですね。・・・ってアァ―――――!!!」
「何を急に!?ちょっと驚かさないでよね!!
まだ他にもオークがいるかと思ったじゃないの!」
「剣が・・・僕の剣が・・・」
「剣がどうかしたの?」
オークから剣を引き抜くとそこには酸を付与した事により、腐敗してボロボロになった柄の部分だけが残った短剣の成れの果てがあった。
「まだローンが残ってたのにぃ~。」
「まっ!無事にスライム2体討伐出来たし、思いもよらずオークと戦う事になったけど、これも何とか倒す事が出来たから結果オーライって事で。ね!」
「僕の剣が・・・。」
「もう!煩いわね!男なら何時までもグズグズ言わないの!さっ!帰るわよ!」
そう言いながらアリアさんは、僕の襟首を掴みながら引きずってギルドへと帰還していった。
「僕の剣~」
「しつこい!」
次からはまた、別のお話です。
剣錆びちゃいましたね。まぁ普通に考えたらしませんよね~。