ランク昇格試験。その1
「あなた達2人にはランク昇格試験を受けてもらうわ。」
「へっ!?」
「えっ!?」
「「えぇ――――――――――っ!!!」」
とある日の午後、僕とアリアさんはギルドマスターであるマギーさんに呼ばれ、マギーさんのいる部屋を訪れた途端、唐突に言われた。余りに突然の事過ぎて僕はふいに変な声が出ちゃったよ。アリアさんに至っては普段絶対に見せない様なポカーンとした顔をしていた。
「何よ。2人して間の抜けた顔をして。ギルドに所属する冒険者ならランクを上げるのは当然じゃないの。」
「ちょっ!いきなり過ぎるじゃないの!」
ポカーンとしていたアリアさんは我に返りマギーさんに喰って掛かろうとしていた。
「あらっ?何を言ってるのかしら?冒険者たる者何時如何なる事態の時も冷静に判断をし、行動しなくてはダメよ?こんな事位で狼狽えては冒険者は務まらないわよ?アリア。」
「ウグッ!それは・・・そうだけど・・・ごにょごにょ・・・。」
「まぁまぁマギーも余り苛めちゃダメだよ。2人共困ってるじゃないか。すまないね。2人共、マギーはサプライズで2人を喜ばせようとしたんだよ。2人にはちょっと伝わり難かったかもしれないけどね。」
ロイズさんがそれとなく僕達を援護してくれている。ありがとうございます!ロイズ副ギルド長!
「ちょっ!ちょっとロイズっ!」
流石のマギーさんもロイズさんに言われて少し照れてる様子だ。
「ゴホンッ!は、話は戻すけど、2人共良いかしら?」
「良いもなにも、もう決まった事なんでしょ?だったらやるしかないじゃないの。」
アリアさんはマギーさんの性格を良く知ってるみたいで、半ば呆れた様子で返答していた。
「話を戻すわね。先ず始めに断っておくけど、私は出来ない事は言わないわ。前にも言ったと思うけど、アリアは実力的にはDランク以上の実力はあるし、ミハイル、貴方だって1つ上のランクでも十分やれると私は思っているわよ?まぁこればかりは元冒険者の勘かしら。」
マギーさんは力強い眼で僕らを見つめている。
「はあぁ~マギーさんにここまで言われると試験を受けない訳にはいかないじゃない。ねぇ?ミシェル。」
「そうですね!精一杯頑張ります!って所でランク昇格試験て何するんですか?僕、初めてなんで分からないんですけど。アリアさん知ってます?」
「わっ!私に聞かないでよね!私だって受けた事ないんだから!」
「それもそうですね。マギーさん、教えて下さい。」
「貴方達ねぇ、仮にもギルドに所属する冒険者なんだから自分達のランク昇格について位知っておきなさい。」
マギーさんの鋭い眼光が僕達2人に降り注ぐ。アリアさんはどうか分からないけど、僕なんかはまるで蛇に睨まれた蛙みたいに恐怖で身動きが取れずにいた。僕が1種の金縛りにあってるかの如く体を硬直させていると、それに気づいたマギーさんがフッと笑みを浮かべた瞬間、僕の体が軽くなるのを感じた。これが超一流の冒険者の覇気なのかな。横にいるアリアさんに眼をやるとダラダラと多量の汗をかいていた。ギルド長室に来る度に僕の寿命は毎回縮む思いだよ。
「まぁ、良いでしょう!これを機にランク昇格について2人共覚えておきなさい。ロイズ、説明をお願い。」
「ここからは僕が説明させて貰うよ。」
ロイズさんが優しい笑顔で僕達に微笑みかける。




