【ラーニング】についての検証及び考察。その2
僕は夜のシルフの森で倒した吸血蝙蝠の魔石を回収し、そのまま1度森の入口に作った簡易拠点まで戻った。
弓矢に僕のスキルを付与する事が出来る事が分かったのは収穫だった。
次からの戦闘からは僕は短弓をメインにして前衛二人のサポートに回ろうと思う。
後は今のパーティーでの連携を高めていかないとね。アリアさんとルドルフさんの二人は仲が余り良くないみたいだから。寧ろアリアさんの方がルドルフさんの事を毛嫌いしてるみたいだけど。何でだろう?今度3人で親睦を深める為にもご飯でも一緒に食べに行こうかな。
それよりもだ。今からもう1つ試してみようと思う事があったんだ。
それは僕のスキル【ラーニング】についてだ。
今までだったらモンスターの攻撃、主に特殊攻撃を1回は受けて尚且つ攻撃をしたモンスターを倒さなきゃいけないって・・・幾つ命があっても足らない位だけど、実際生傷は絶えないしね。お陰で毎回怪我をする度にソフィーリアさんに叱られるんだけど。
兎に角割に合わないと思ったんだ。
なので今回は少し違う事をしてみようかなと。
何をするかって?それは・・・今、狩った吸血蝙蝠を調理して食べてみようかなと。
こんな普通の人はしない事、二人には相談出来ないし。僕は早速吸血蝙蝠の調理を始めた。
吸血蝙蝠、羽を広げてみると結構な大きさで羽を含めると体長は約1.2メイル位の大きさだ。
顔は・・・余り見ないでおこう。食べ辛くなるからね。けれどこうして見ると余り食べる所無さそうだなぁ。スキルを使って倒したからかあちこち焼けただれているし、色々な意味でグロい。
僕は取り合えず食べられそうな部位に切り分け、持って来ておいた塩をふり、塩焼きにしてみた。
ん~。匂いだけなら美味しそうな匂いがする。
味はどうかな?いざ!モンスター初実食!
パクリッ!モグモグ・・・モグモグ・・・ゴクンッ!
味は・・・そうだなぁ鶏肉に近いかな?ただ凄くパサパサした鶏肉だけど。それと下処理がキチンと出来て無いから物凄い獣臭が鼻の奥から突き抜けて行くけど。
モンスターの肉は、そうだね食べられなくは無いかな。しっかりと下処理を済ませて料理すれば美味しく食べられるんじゃないかな。
僕は狩った吸血蝙蝠を全て平らげた。折角だし、残さず食べないとね。
食べ終わってから暫くすると頭の中に不思議な声が響いてきた。
「称号【魔を喰らう者】を獲得しました。」
ん!?
称号?えっ?何それ?【魔を喰らう者】って何?
急な出来事により頭の中が混乱している所を追い打ちをかけるかの様に不思議な声が響いてくる。
「称号【魔を喰らう者】により吸血蝙蝠の解析及び【ラーニング】完了。【吸血攻撃(小)】【吸血耐性(小)】【超音波】修得完了。【超音波】修得完了により【エコーロケーション】のスキル獲得をしました。」
うわっ!何これ!?スキルを修得した事にも驚いたけど、それにも増していつもより修得したスキルが多くてビックリしたよ。
それに一体称号って何だろう?1度に色々な事が起こり過ぎてちょっと理解が追い付かないよ。
僕が暫く考えている間、シルフの森の夜は更けていくのであった。




