魔闘剣士アリア誕生。その5
アリアさんのお話は一先ず終わりです。いつも読んで頂きありがとうございます。
何だろう?今だったら上手く出来る気がする。
私は何故か特に根拠は無いけれど、不思議とそんな気がしていた。
まぁ。床に座り込んだ状態でそう思っても誰も信じないんでしょうけど。
早くお風呂に入りたい・・・。服は汗で濡れて肌はベタベタするし、疲労もピークだけれど私は何とか立ち上がり、もう1度だけ自身の属性【風】のオーラを自在に操る為、全神経をオーラを纏う事だけに集中させた。
すると先程迄息んでオーラを無理矢理纏おうとしていた時とは違い、疲労感で適度に私自身の体の力みが抜けて割りとすんなりオーラを纏う事が出来た。
「やれば出来るじゃない。」
師匠がニコリと微笑む。
「後は絹の様に薄く纏ってみなさい。今のアリアなら出来る筈よ。無駄な力が抜けている筈だから。」
「分かりました師匠。やってみます。」
薄皮1枚・・・絹を纏う感じで・・・そっと羽織る様に・・・。私は今一番欲しい服を試着するイメージでオーラを最小限に留める様に少しずつオーラを抑えていった。そして・・・。
「出来た・・・。」
私は今、全身を薄く【風】のオーラを纏っている。
「漸く出来たわね。アリア。良いこと?今の感じを忘れないでね。
それが魔闘法の基本よ。普段からオーラを纏うのを意識しながらしていると、自然と無意識の内にオーラを纏う事が出来るから。」
「はい!師匠!」
「本当こんな時だけ調子の良い返事するんだから。貴女はまったく。」
師匠はやれやれと言った表情をしている。
だって仕方ないじゃない?出来て嬉しいんだから。
「後は普段からの体力作りと、寝ている時以外はその状態を保つ様にしといてね。」
今、サラッと凄い事言いました?師匠?
「へっ?何で?」
「何で?って当たり前でしょう?これで終わる訳ないでしょ?今の状態は魔闘法の基本の型よ?アリアは漸く入口に立ったに過ぎないわよ?それにオーラを常時放出していると体力が無くなるのは分かったでしょ?これを最初は辛いけれど、続けていくとオーラの上限値が上がってバテにくくなるのよ。勿論体力作りも有効よ。まぁ、オーラの上限値が上がるってのは殆ど人は知らないけどね。」
この人本当何サラリと凄い事言っているのだろう?私、もう既に辛いんですけど?えぇ。それはもう今すぐ倒れそうな位に。
「さてと、アリアが漸く魔闘法の基本の型も出来た事だし、今日はこの辺りで止めにしておきましょうか。明日からは本格的な魔闘法の使い方をやって行くわよ。それと、魔闘法の型も教えて行くわね。明日からは忙しくなるわよ~。」
師匠は嬉々とした表情していた。あの顔は悪い顔だ。絶対。
私は体力の限界を超え今にも堕ちそうな意識の中、私は一言だけ発して気絶した。
「鬼・・・・・。」
◇◇◆◇◇◆◇◇
私は結局付け焼き刃ながらも、師匠から魔闘法を教わるのに1ヶ月はこの地下1階の師匠専用室に軟禁されていた。
一応師匠からは魔闘法初級編体得のお墨付きを貰ったので、漸く1ヶ月の軟禁状態から解放された。
いい加減早く行かないとミシェルにどこぞの悪い虫が付いてないか心配で仕方が無い。
べ、別にミシェルが好きとかじゃないし!ミシェルはどちらかと言ったら弟みたいなもんだし!ミシェルのお姉さん代わりの私としては心配するのが当たり前でしょ!
私は急いで地下室から出て行き、ミシェル養分を補給しにミシェルのいる宿へと駆けて行った。
師匠はというと・・・えぇ。そうよ!終始私の方見てニヤニヤしていたわ!
次からまたミシェル君の話に戻ります。拙い文章ではありますが、宜しくお願い致します。




