スライムの酸攻撃は痛気持ちいい。その3
余り喜んでもいられない。
スライムは後、1体討伐しないといけないのだから。
そうは思ってはいても僕の右腕はスライムの酸攻撃により、軽度熱傷している。
医療用ポーチには回復薬が、入っておらず、てかケチって買っていなかったのが、今になって響くなんて冒険者失格だな。僕は。
次からはケチらずに回復薬を買っておこう。
そう、心に誓っていると、アリアさんが何やら辺りの草むらをゴソゴソとし出して僕の方へと近づいてきた。
「あった!あった!ミシェル~薬草あったわよ~。結構その辺に自生しているから、
探すのにそんなに手間取らなくて良かったわ。
ちょっとミシェル怪我した腕見せて。」
アリアさんは、そう言って薬草を手で磨り潰し怪我した腕にまんべんなく塗り始めた。
「痛―――っ!んん・・・あぁ・・・はぁ・・・
はぁ・・・んん・・・!!!」
僕は痛さと何とも言えない感覚に体が仰け反らせながら悶絶していた。
それを間近で薬草を塗りながら見ていたアリアさんが、頬を赤らめながら、恥ずかしそうにしている。
「何でそんな声を出してるよ!!見てるこっちが何か悪い事でもしてるみたいじゃないの!
「そんな事、僕に言ったって仕方無いじゃないですかー!痛いんですから。我慢してたら声が漏れただけですよ!」
「ふっ・・・ふーん。そう言うなら仕方無いわね。はい!これで終わり!!」
アリアさんは僕の右腕の包帯を巻き終えると、
バシッと怪我している右腕を叩いた。
「イッタ!!!んん・・・!!!」
僕は怪我した腕を押さえながら、その場で又もや悶絶していた。
暫く痛みと格闘した後、少し落ち着いてきたので、アリアさんに話かけた。
「アリアさんありがとうございました。所で、アリアさんは薬草採集が上手なんですね。」
「何を急に。ミシェル、私の事小馬鹿にしてる?これでも、ミシェルより2年は先輩だからね~採集を何度か経験していくと、採集スキルが上がって薬草の見分け方が分かってくるのよ。
更に経験を積むと薬草の種類と効果の良し悪しなんかも分かってきたりするわ。
私はまだ薬草が何処にあるかしか分からないけどね。
ミシェルも採集クエストをしていく内に自ずと分かって来るわよ。」
「そうなんですね。別に小馬鹿になんかしてないですよ。アリアさんの薬草採集のお蔭ですし、治療までしてもらったんですから、感謝しています。」
「私達は仲間なんだから、そんなの当たり前でしょ!」
そう言ってアリアさんは僕の鼻先を指でピンっと弾いて笑っている。
「さてと、休憩はここまでにして、さっさっともう1体討伐して帰りましょ!」
「そうですね!」
僕達は小休止を終え、もう1体スライムを討伐すべく、森の散策を始めた。
次もスライム話です。
一応次でスライム話は終わろうと思います。