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魔闘剣士アリア誕生。その1

いつも読んで頂きありがとうございます。

今回からはアリアさんの回を書いてみました。


ミシェルとルドルフとの3人でグール討伐を終え、ギルド長室での報告の後、私は1人残ってギルド長であるマギーさんにある相談をしていた。


「アリアから私に相談なんて珍しいわね。一体何の相談かしら?」


マギーさんは何を勘違いしているのか口元が緩みっぱなしで私の方を見てニヤニヤしている。


「ちッ!違うわよッ!マギーさんが想像している様な事じゃ無いからねっ!」


「あらっ!?そうなの?なぁんだつまらないわね~。アリアも年頃なんだし、そういった話が聞けると思ってドキドキしたのにぃ~。で?本命は誰なの?やっぱりミハイル?」


「もうっ!だから違うってば!それに何でそこでミシェルが出て来るのよっ!」


「あら?当たっちゃった?アリアったら耳まで真っ赤にして必死になっちゃって可愛いぃぃ~。」


「マギー。もうからかうのはその辺りにしたらどうだい?アリアも困ってるよ?」


そう言ってロイズさんが助け船を出してくれた。


「はーい。わかりました。本当あなたったらそういう所は堅いんだから。」


マギーさんはぷぅっと頬を膨らませてむくれている。ギルド長とは思えない程、子供っぽい態度である。こんな姿絶対他の人には見せないんだろうな~。2人のやり取りを見ていると本当仲が良いなぁ。いつかは私も2人みたいな素敵な夫婦になれたら良いな。なんて。


そんな2人のラブラブさ加減を見せつけられた後、マギーさんはギルド長の顔へと変わった。


「おふざけはこの辺にして、真面目な話どうしたの?」


「うん。あのね・・・この前のグール討伐で私、しくじっちゃって・・・グールに噛まれそうになったの。それでね噛まれる寸前にミシェルに助けて貰ったんだけど・・・私の替わりにミシェルがグールに噛まれてしまったの・・・。多分私、自分の力を過信し過ぎてたんだと思う。私自身だけじゃなくてミシェルにまで危険に晒して私馬鹿だ・・・。本当悔しくて・・・。」


あの時の事を思い出したらポロポロと涙が溢れて出てきた。私は悔しさと不甲斐なさで拳をギュッと握りしめながら袖口で溢れてくる涙を拭いた。


「事情は分かったわ。それで?アリアは私にどうして欲しいの?大丈夫?悔しかったねって慰めて欲しいの?」


「違う。マギーさんに稽古をつけて欲しい。

もう2度とあんな思いはしたくない。ミシェルを・・・仲間を危険な目に合わせたくない。だから・・・私、今までよりも強くなりたいの。強くならなきゃいけないのっ!お願いしますっ!マギーさん!私に【魔闘法】を教えて下さい!」


私は涙を滲ませながらマギーさんに頭を下げてお願いをした。


「ふう。余程悔しい思いをしたのね。アリアが私に教えを乞うために頭を下げるなんてね。明日は雪でも降るんじゃないかしら?」


「マギー。アリアが真剣に頭を下げてお願いしているんだから、茶化す様な事を言ってはいけないよ?」


「もうっ!あなたったら!また私を悪者扱いして!分かってるわよ。アリアが真剣にお願いしている事ぐらい。良いわ!【魔闘法】の稽古をつけてあげる。分かってるとは思うけど、今までの剣の稽古と違って【魔闘法】の稽古はキツいわよ!それでもやる覚悟はある?」


その言葉に私はバッと下げた頭を上げマギーさんの顔を一点に見つめて答えた。


「勿論っ!望む所よっ!」


「良しっ!それでこそ私の弟子ねっ!」


マギーさんと私はお互いの顔を見ながらニッと笑い合った。


「それじゃあ時間も勿体ないから早速修行に行きましょうかっ!」


「へっ!?今から?」


「当たり前でしょう?何を言ってるの?この子は。今から地下の稽古場に行くわよ!久々に体を動かすから何だかウズウズするわね!ほらっ!ポカーンって突っ立ってないでさっさと移動する!」


「えぇぇ~そんなぁぁ~!!!明日からじゃダメ~?」


「ダメっ!さっきの勢いはどうしたの?ほらっ!行くわよっ!」


マギーさんはそう言って私の後ろの襟を掴んでズルズルと引き摺っていった。


丁度その時ロイズさんと目が合ったのだけれどロイズさんは申し訳なさそうな笑みを浮かべながら私に御愁傷様と合わせていた。


ロイズさん。そこは助けてくれないのね。




ブクマ・評価して頂けると励みになります。拙い文章ではありますが、今後とも宜しくお願い致します。

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