回復薬の味は青汁です。その5
僕は無事に採集ノルマを終え、納品する為にギルドへと足を運んだ。っとその前に先ずはこの土埃まみれ、青臭さが染み付いた洋服を着替えないと。こんな状態でギルドの中に入って行ったらまたギルドの人達に白い目で見られてしまう。僕は宿泊先の宿へと足早に向かった。
そこで宿屋の中庭の井戸で水浴びをし、そのまま着ていた洋服も洗い、下着姿の状態で自分の部屋へと向かった。
「うぅぅ・・・流石に井戸水で体を洗うと冷たいな~。へックションッ!!!早く着替えないと風邪引いちゃうよ。」
僕はブルブルと震える肌を擦りながら急いで濡れた髪や肌の水気をタオルで拭き取り新しい洋服に着替えた。
卯月とはいえまだまだ肌寒い。冒険者にとって健康管理も大事な仕事だと僕は思っている。
だとしたら毎回討伐クエストに出ては怪我をして戻ってくる僕は冒険者失格だよね・・・。
反省しています。。。
ズンッ!と気持ちが沈み一頻り反省した後、気持ちを切り替えて僕は採集クエスト達成の報告へとギルドに向かった。
◇◇◆◇◇◆◇◇
「マキナさん、これお願いします。」
僕は採集ノルマである薬草3束と毒だ実30個を納品した。
「確かに。確認致しました。ミハイルさんクエストお疲れ様でした。では彼方の換金所で今回の報酬をお受け取り下さい。」
「はい。マキナさんありがとうございます。」
僕は納品を済ませ換金所で報酬を受け取り宿屋へと戻った。
(良しと!これで後は宿屋で回復薬作りだ!)
宿屋へと戻った僕は宿の女将さんに食堂の一角を借りて回復薬作りの準備を始めた。
宿の女将さんには余り汚さない様にと釘も刺されたけど。
先ずは回復薬作りといってもどう作るのか?だけど、作る事自体は然程難しい事ではないみたい。材料はさっきシルフの森で採集した薬草と後は綺麗な水が必要なんだけど、この宿の井戸水は地下水を汲み上げてるから綺麗な水の筈。多分。
作り方は先ずは薬草を洗った後、綺麗な水を沸かす。沸騰したら薬草をサッとお湯にくぐらせ色が鮮やかな緑色に変わったらお湯から上げ、今度は細かく刻む。最後は刻んだ薬草を布巾に包み濾したら完成。
「う~ん。薬草2束使ってこの量かぁ~。」
薬草を2束纏めて使って回復薬を作ってみたがいざ専用の容器に移してみると半分にも満たない量だった。その量を見て僕は少しガッカリした気持ちになった。
あれだけ時間を掛けて採集して作ったのにたったこれだけって・・・悲しいよ。
この果汁100%もとい葉汁100%の回復薬ってどれくらいの効果なんだろう?
僕はそう思い一口味見をしてみた。
口に回復薬を含んだその瞬間。
☆△○□★▲●■ッ!!!!
口の中に広がる強烈なまでの青臭さが鼻から抜けて行くのが分かる位不味い。
「ムフ~~~!!!」
そして何よりいつまでも口の中に残っていて中々飲み込む事も出来ない。
で、結局。
レロレロレロ~~~。
暫くお待ち下さい。。。
「あぁ~これは凄い。違う意味で効果てきめんだよ!うぅぅ・・・それにしてもまだ口の中にあの味が残ってるよ~。」
僕は口の中に強烈なまでに印象付けられた回復薬の味から抜け出せずにいた。それほどまでにこの葉汁100%の回復薬は不味い。
でもちょっと待てよ?態々飲み物として作るからこんな事態になるんじゃないのかな?飲み物として作らず薬として丸薬にしたら荷物にもならないし都合が良いんじゃないかな?
僕は回復薬は飲み物という固定観念に縛られていたかもしれない。丸薬なら葉汁100%の状態の回復薬を作っても不味い思いをせずに飲むことが出来るし効果も期待出来る筈。
良しっ!そうと決まれば早速作ってみなくちゃね!って・・・あっ!材料が無い。
はあぁぁ~また明日採集して来なくちゃ。
僕は回復薬の丸薬を作る為、また明日採集に行く事にした。
それはそうとこの回復薬を作るのに散らかした机の上を片付けないとね。女将さんに怒られちゃうよ。
余ったこの回復薬どうしよう・・・。




