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回復薬の味は青汁です。その2

僕達はグール討伐、瘴気浄化の依頼を終えデュークの街を出てから乗り合い馬車に揺られる事2日後、オデッセイの街に帰って来た。

勿論僕は行き同様馬車酔いに悩まされ続けたけど。


「ん~やっと着いたわね。ずっと座りっぱなしだったからお尻が痛くなっちゃったわね。」


「何なら俺が擦ってやろうか?ニシシッ。」


ルドルフさんはそう言って両手の指を違う生き物の様に動かしてイヤらしい笑みを浮かべていた。


「変態!」


アリアさんがバッサリと切り捨てる。


「ひでぇ~なぁ~もう少し可愛げが無いと嫁の貰い手がいなくなるぞ?」


「煩いわねっ!余計なお世話よっ!」


あぁ・・・また始まった・・・。もう少し二人共、仲良くすれば良いのに・・・。


「まぁまぁ二人共先ずはギルドに報告に行きませんか?ってウッ!」レロレロレロ~。


暫くお待ち下さい。


「もう!本当大丈夫?ミシェル。」


「本当馬車弱いな~お前は。今後遠出のクエストは考えもんだなぁ。」


「だ、大丈夫です!慣れるよう頑張りますから!ウッぷ」


「まぁ期待しないでおくよ。」


僕の馬車酔いが治まるのを待ってから僕達はギルドへと報告に向かった。


ギルド長室前にて。


「ルドルフ、アリア、ミハイル以下3名クエスト完了の報告に参りました。」


ルドルフさんがドアをノックする。


「入って良いわよ。」


「失礼します。」


僕達3名は入室した。相変わらずギルド長であるマギーさんからはただならぬ気配を感じ僕は鳥肌が立っていた。


ルドルフさんは炭坑の街でのクエスト完了の報告をマギーさんにした。


「3人共ご苦労様。どう?アリア、ミハイル2人共良い経験になったかしら?」


「ええ。とても。それでマギーさん後で私から相談事があるんだけど・・・。」


「何かしら?アリアが私に相談なんて珍しいわね?雪でも降るんじゃないかしら?」


マギーさんはニヤリと口角を上げる。


「もうっ!茶化さないでよね!」


「はいはい。分かったわ後で話を聞いてあげる。」


マギーさんの前だとアリアさんも普通の女の子に見えるな。まぁ女の子なんだけど。口に出したら凄く怒られそうだから言わないでおこう。


「ミハイルの方はどうだった?って貴方は見れば分かるわね。また無茶したわね?」


「い、いや・・・あの・・・これは・・・。」


マギーさんが射殺すかの様な視線で僕を見ている。こ、恐い・・・。


「ご、ごめんなさい・・・。」


「ミハイル、貴方の場合多少の無茶は仕方が無いとは思うけど、この先も冒険者として続けて行くつもりなら、もう少し考えて行動しないとね。」


「はい・・・。ごめんなさい・・・。」


「そんなに謝らなくて大丈夫よ。貴方の能力に関しては分からない事だらけなんだから、私とロイズ、そしてミハイルとで色々模索していきましょう。貴方はギルド【星屑】を担う子達の一人なんだから。もっと自分を大事になさい。」


「はい。分かりました!」


「おいおいおい~話が全然見えないんだが俺には。ミシェルに何か能力があるのか?」


「あら?ルドルフはまだ知らなかったかしら?」


「マギー、彼にはまだ話して無いと思うよ?」


ロイズさんが少し困った顔をしている。


「あら?それは困ったわね。どうしようかしら?消す?」


「い―――――っ!?イキナリ物騒だなっ!そんなにヤバイ話なのかよ!?」


ルドルフさんはマギーさんの思いがけない一言に後退りしている。


「まぁそれは冗談として。今の話の流れでミハイルに何らかの能力があるのは分かったわね?」


「冗談でもマギーさん、貴女が言うと洒落にならないぜ。あぁ。ミシェルに何の能力があるのかまでは分からないがな。」


「ルドルフ、貴方はもうこの子達のパーティーメンバーだから教えるけれど、他言無用を誓えるかしら?今ならまだ間に合うわよ?但し!これは極秘事項だから他言した場合、本気で貴方を消すわよ?聞くなら覚悟を決めて聞きなさい。」


「そんな事考える必要も無いぜ!俺はコイツらのパーティーメンバーなんだからな!生きるも死ぬもコイツらと一緒だぜ!」


「えぇ~っ!私は嫌だなぁ~あんたと一緒は。」

「僕も一緒はちょっと・・・。」


「おいぃぃぃ!!お前ら~俺今結構良いこと言ったんだぜっ!そこは普通合わせるだろっ!」


僕達はマギーさんの前でギャアギャアと揉め始めた。


「アハハッ!!!貴方達なら大丈夫そうね。」


マギーさんの笑い声が室内に響き渡る。その後直ぐにマギーさんはまた真剣な顔に戻った。


「ルドルフ、ミハイルが魔法を使えないのは知ってるわね?」


「あぁ。デュークの街でのクエストの時に2人に魔法の話をした時に聞いたが。それが?」


「確かにミハイルは魔法の適性は無いわ。それに属性も無いの。」


「はあ?属性も無い?嫌々それは有り得ないでしょう?俺の知っている限りの知識だと人は生まれながらにして何かしらの属性を備えている筈だぜ?それが無いなんて・・・。」


ルドルフさんは急に考え込む様にブツブツと何かを言い始めた。


「そう。有り得ないのよ普通。属性が無いなんて事は。けれど、ミハイルには属性が無い。これは事実よ。私達はあらゆる方法で確認したから間違い無いわ。けれどミハイルには私達には到底無い物を代わりに持っていたの。それを私達は魔法と言って良いのかスキルと言って良いのかそれすら分からないのだけど。私達はそれを【ラーニング】と呼んでいるわ。」


「【ラーニング】?それって一体・・・?」


「ミハイルは一部のモンスターの特殊攻撃を自分の物にする事が出来るのよ。但し修得するのに色々と制約があるのだけれど。」


「何だよそれ!?魔法でもスキルでもそんな物今まで聞いた事無いぞ!?」


「そう。魔法でもスキルでも無い事が重要なの。だってそうでしょう?誰も何も知らないのだから。今まで聞いた事も見た事も無い正に異質な能力なのだから。ルドルフ、貴方ならどうする?そんな能力を持っている事が知れたら。考え無くても分かるでしょう?」


「あぁ。間違い無く誰かに狙われる。」


「そう。だからこの事は秘匿しなくてはいけないの。知っているのは極一部の人だけにしなくてはいけない。だからルドルフ、貴方には知る覚悟を決めなさいと言った意味分かったかしら?」


「あぁ。こんな話をされたら余計覚悟を決めたぜ。ミシェルを守らないとってな。」


「ありがとう。けれど、ミハイル!貴方は守られている存在では無く自分で自分を守る術を身に付けないといけないわよ。それは分かっているわね?」


「はいっ!」


僕は自分の【ラーニング】がこんなに大きな事になってるなんて思いもよらなかった。

僕自身は普通にして良いんだよね?ダメかな?









何だか難しい話になって来ました。

何処かでまたゆるーく話を戻したいです。

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