スライムの酸攻撃は痛気持ちいい。その2
ちょっと長く書きすぎました。飽きずに読んで貰えたら嬉しいです。
―――――シルフの森。そこは風の妖精シルフが、住んでいると言われる森。まだ誰もシルフを見たことが無いらしいのだけれど、誰が言ったかそう呼ばれている。
最深部まで進むと陽が射し込む場所があり、そこに樹齢1000年以上の大木が聳え立っており、其処が風の妖精シルフの棲み家と言われている。
お伽噺話の類いだと思うけど、僕も1度は行ってシルフを見てみたいなんては言わないけれど、その棲み家と呼ばれている大木は見てみたいなぁ~とは思う。
まぁその前に今の僕らじゃ最深部まで、辿り着くことすら出来ないけれどね。
何せ僕らは駆け出し冒険者だから。
僕らが今のEランクで行けるのは、序の序しか行けない。本当森の入口付近だ。
入口付近は低級モンスターしか現れないから駆け出し冒険者には丁度良い位だ。
おっと―――そんな事を説明していたら、早速スライムが1体現れたぞ。
スライムの特徴はゲル状で動きも速くは無いんだけれど、獲物を狩る時に使う酸が中々厄介なんだ。
皮膚に触れると火傷してしまうからね。
後は、余り物理攻撃に効果が無い所かな。
ゲル状だけに。
魔法攻撃が有効手段だから、本当はパーティーメンバーに魔法が使える人がいたら良いんだけど・・・。
アリアさんは剣士だし、僕に至っては魔法すら使えないからなぁ。
「ちょっとミシェル!!あんたもボサッと突っ立ってないで、こっちを手伝いなさいよね!」
アリアさんは剣をスライムに突き立てるが案の定、物理攻撃は余り効果が無く逆にスライムが突き立てた剣にまとわりついてきた。
「この!離れなさいよ!」
そう言いながらアリアさんはスライムを剣から引き剥がそうと剣を振り回すが、スライムは剣にまとわりついており、剥がれる様子が無い。
次の瞬間、スライムの酸攻撃がアリアさんに向かってきた。
「あっ!痛っ――!!!」
僕はアリアさんの方へと手を伸ばし、酸攻撃からアリアさんを庇うと共に右肩から腕にかけて、その身に酸を浴びた。
ジュウッ。衣服が焼け焦げ酸による火傷を負った。
【ラーニング】を開始します。
―――――解析完了。【酸攻撃(小)】【酸耐性(小)】修得準備中。
脳内アナウンスで僕の頭に流れ込んできた。
「ミシェル!大丈夫!?」
アリアさんが腕の傷を見ながら心配そうに僕の方を見つめる。
「・・・僕の方は大丈夫です。それよりもアリアさんは怪我とか大丈夫ですか?」
僕なりの精一杯の虚勢だ。本当は物凄く痛い。
「私は大丈夫。ミシェル、あんたに突き飛ばされて尻餅突いただけだから。本当に大丈夫?」
「・・・えぇ。少し痛みますけど、僕の方も何とか大丈夫です。それよりアリアさん!物理攻撃は効果が薄いので、僕が囮になりますから、
アリアさんは急いで火を起こしてもらえませんか?僕のこの腕では、火を起こせそうも無いので。」
「囮って・・・そんな怪我した体で大丈夫なの!?って何で火?」
「スライムの弱点が(火)だからですよ。」
「・・・分かったわ。但し!あんまり無茶はしないでね。」
「分かってますよ。この腕で無茶の仕様もありませんから。」
そう言って僕は若干ひきつった笑顔で答える。
「もう!じゃあそっちはミシェルに任せたわよ!こっちも火を起こすのにそんなに時間は掛からないと思うから。」
「アリアさん!任せます。宜しくお願いします!」
僕はそうアリアさんにお願いすると、持っている短剣を構える。
右腕がズキズキと痛い。
先程みたいにスライムに剣を突き立てても効果が無いから、さて、どうしたもんかな。
取りあえず、酸攻撃に注意を払いながらスライムとの距離を縮める。
スライムが僕の方に向かって跳ねてきた。
すかさず僕は身を反って避ける。
そして思い切りスライムを蹴り飛ばす。
ドーン!!!スライムが木へとぶつかって体が伸び散る。そこへ追い討ちとばかりに切りつける。
だがしかし、余り効果は無い様子だ。
痛みのせいで力が入らず切り落とせなかった。
「ミシェルっ!!!待たせたわね!火を起こしたわよ!」
「流石っ!仕事が早いですね!ありがとうございます!」
「あったり前じゃない!私を誰だと思ってるのよ!美少女剣士アリア=フェアウェイ様よ!」
美少女は余計だと思いますが。
僕は火の方へと駆け寄り、布切れに火を着け短剣に巻きつけた。
「――――良し!準備出来た!アリアさん!援護お願いします!」
「OK!任せなさい!」
僕とアリアさんはスライムを挟み込む様にして囲った。
そして、アリアさんがスライムに切りつけ、スライムが跳ねて避けた所を僕がすかさず火の着いた短剣で切りつけた。
――――ジュウ~シュワ~。スライムは火の熱で燃え溶けた。
スライム討伐。
【ラーニング】完了。
【酸攻撃(小)】【酸耐性(小)】修得完了。
脳内アナウンスが僕の頭の中に響いた。
「やった―――!!!倒した―――!!!」
そう言ってアリアさんは跳び跳ねながら喜んだ。
「はぁ・・・はぁ・・・漸く苦労して1体倒せましたね。後、1体。」
僕はその場にヘタリ込んだ。
「なぁに言ってんのよ~。さっきとおんなじ要領でやれば簡単簡単~。」
アリアさんは上機嫌だ。
あのぅ~僕、一応負傷しているんですけどね。
でも何だろう?負傷している筈なのに、気分が高揚しているのは(照)
スライム相手に苦戦し過ぎですよね(汗)
これからどうしましょう。