グールの毒はどうやら媚薬の効果があるようだ。その3
更新遅くなりまして申し訳ありません。後、自分の文章力の無さを日々猛省しております。
歓楽街を抜けると軒先から何やら美味しそうな香りがしてきた。今度は飲食店の通りだ。
辺りにはじゅうじゅうと肉の焼ける音と匂いがする。肉に浸けるタレの匂いが余計に鼻を刺激し、食欲を注っていた。
「う~ん。良い香り。何だかお腹が空いてくるわね。」
「そうですね~。僕なんかさっきからお腹がぐぅぐぅ鳴ってますよ。」
「おい・モグ・ふはぁりとも・モグ・ひょりみち・モグ・してる暇・ゴクンっないぞ!」
ルドルフさんは一人美味しそうに串焼きを頬張っている。
「あぁー!何一人だけ食べてんのよ!」
「そうですよ!一人だけ美味しい物食べてズルいじゃないですかー!それに食べながら言われても全く説得力の欠片も無いんですからね!」
「あははっ!悪い悪い。この旨そうな匂いを嗅いだら、腹が減ってついな。余り時間が無いのも確かだからお前らも1つにしておけよな。後は依頼が終わったら存分に食べようぜっ!」
「全くもうっ!あんたがこの中で一番年上でランクも上なんだからしっかりしてよね!でもまぁ、あんたがそこまで言うなら食べなくもないけど・・・じゅるりっ。」
「はい!分かりました!」
僕とアリアさんは店頭で焼かれている串焼きを1本ずつ買い頬張った。
「美味しいー!この肉汁感とタレの絶妙な感じ最高ー!」
「本当美味しいですぅ。」
「なっ!旨いだろ?これで俺達は共犯だ。ニシシシッ。」
ルドルフさんはそう言って悪そうな笑顔をしている。
「汚いわね。本当。美味しかったから良いけど、さぁ!もう行くわよ。ミシェルも早く食べちゃいなさい。」
「あっ!はい!」
僕は串焼きを急いで食べ口元に付いたタレを袖口で拭い二人の後を追いかけた。本当串焼き美味しかったなぁ。この依頼が終わったら色々食べ歩こうかな。
僕達は飲食店街を抜け街の責任者がいる居住区へと向かった。
◇◇◆◇◇◆◇◇
「着いたわね。」
僕達は居住区にあり一際大きな屋敷の前に着いた。
「はあぁ~大きい家ですね~。ここですか?」
僕は大きな屋敷を見上げながら感嘆の声が漏れていた。
「あぁ。ここがその筈だぜ。」
「そうなんですね。じゃあ責任者の方に話を伺いに行きましょうか。」
僕はドアをノックしようとドアの前まで行くと屋敷の角から人影が現れ僕達に声を掛けてきた。
「もしかして冒険者の方々ですか?」
40代かそこらだろうか。口髭の似合う紳士が僕達に近づき話掛けてきた。
「そうだが、貴方は?」
「申し遅れました。私はこの屋敷の主で【ロベルト】と申します。この炭鉱の街デュークの代表も勤めさせて頂いております。」
そう言ってロベルトさんは僕達に丁寧な挨拶をしてくれた。
「そうでしたか。俺達はギルド【星屑】から今回の依頼を受けに来ました。」
「そうですか!お待ちしていました。ここで立ち話をなんですから、どうぞ中にお入り下さい。」
「ありがとうございます。」
僕達は屋敷の中へと案内された。
僕達は中へと通され応接間にある3人掛けソファーに腰を下ろした。良質な革で出来ているであろうこのソファーは座り心地がとても良く周りを見渡すと絵画や陶器など美術品が飾られている。僕は余りの物珍しさに辺りをキョロキョロと見渡していると隣に座っているアリアさんに肘でわき腹を小突かれ小声で注意された。
「ちょっとミシェル。あんまりキョロキョロしないでよっ!田舎者だと思われるでしょっ!」
「す、すみませんっ!それにしても部屋も広いですね~。一体幾つ部屋があるんでしょう?」
「だからキョロキョロしないっての!」
「お前ら遊んでないで少し静かにしてろっての。」
「はい。すみません。」
「ごめん。」
そんな事をしていると応接間にロベルトさんがメイドの方と共に入ってきた。ロベルトさんは僕達の前に座りテーブルの上にメイドの方々がティーセットを並べ、各々のティーカップに紅茶を注ぎ終えるとメイドの方は応接間を後にした。
「来て頂いた早々で大変恐縮なのですが、今回の依頼の内容を説明させて頂いても宜しいですか?」
「はい。宜しくお願いします。」
「ありがとうございます。早速ですが、今回の依頼の件はギルドでもお話しは伺っているとは思いますが今回はグールの討伐と浄化をお願いしたいのです。私共の炭鉱で崩落事故があり6人の大切な仲間が犠牲になりました。そればかりか崩落のあった場所から瘴気が漏れだし犠牲になった仲間6人がグール化してしまったのです。事故ばかりかグール化したとなっては犠牲になった6人の仲間の家族にはお詫びのしようもありません。しかし、炭鉱の責任者・街の代表としてはこれ以上被害が拡大する事だけは防がなければなりません。」
「心中お察しします。」
「ありがとうございます。今回の事故で犠牲になった6人の仲間の家族にはこれから出来るだけの援助をしていくつもりです。それがこの街の代表を勤める私の使命だと思っております。
せめて事故により犠牲になった大切な6人の仲間が安らかに逝けるよう浄化をして頂きたいのです。」
「事情は分かりました。1つ確認したいのですが宜しいですか?」
「はい。何でしょう?」
「討伐対象のグールの数は6体で大丈夫ですか?1体でも撃ち洩らすと被害が拡大する恐れがありますので。グールには毒があり噛まれるとそこから感染し噛まれた者はグール化してしまうのです。」
「はい。私共の調べでは今の所犠牲になった6人だけです。グール化が確認されてから直ぐに坑道を封鎖して立ち入り禁止にしましたので。」
「そうですか。分かりました。では最後に大変申し訳ないのですが、今回の討伐報酬の確認をしたいのですが宜しいですか?」
「そうでしたね。今回はグールの討伐及び浄化でグール1体につき銀貨3枚を報酬として提示させて頂きたいと思いますがどうでしょうか?」
「グール討伐にしては破格ですね。」
「そうですね・・・。普通のグールでしたら私もこんなには出さないのですが、今回は私達にとっても一緒に仕事をしてきた仲間が犠牲になってしまい、そればかりかグール化してしまった事も重なりとても悲しいのです。ですので皆様には討伐は勿論の事、仲間の魂を在るべき場所へと導いて欲しく浄化もお願いしたいのです。この依頼受けて頂けますか?」
「勿論この依頼受けさせて頂きます。お前らも事情は聞いたな?」
「ええ勿論。」
「はい。頑張りますっ!」
「おおっ!そうですか!ありがとうございます。何卒宜しくお願いします。」
「此方こそ宜しくお願いします。では早速ですが今から向かいたいと思います。場所はえぇ・・・っと。」
「場所は第3坑道になります。入口周囲には柵で囲って封鎖していますので、直ぐに分かると思います。」
「分かりました。では出発します。失礼します。良しっ!お前ら行くぞっ!」
「分かってるわよっ!」
「はいっ!」
僕達はロベルトさんに挨拶し、目的地であるデューク山第3坑道へと向かう為応接間を後にした。
◇◇◆◇◇◆◇◇
【討伐クエスト】
【目標】グール6体の討伐及び浄化。
【場所】デューク山第3坑道。
【報酬】グール1体につき銀貨3枚。
【期限】特に無し。
【失敗条件】戦闘不能及び街への被害拡大。




