グールの毒はどうやら媚薬の効果があるようだ。その2
更新遅くなって申し訳ありません。
炭鉱の街デューク。
今から30年程前より石炭が採掘され、それから仕事を求めて人が集まり鉱夫の為に飲食店が立ち並び歓楽街が出来宿泊施設等が出来今の街が形成されていった。新興の街なのである。歓楽街には多くの人々が集まり今では炭鉱よりも歓楽街の方が有名になって街には賭博場や風俗店等が軒を連ねている。それを目当てに富裕層の貴族や裏の人達が集まりかなりディープな街になっている。けれど其処は炭鉱の街、元々力自慢の荒くれ者が多い鉱夫達が集まり出来た街なので、後から来た裏の人達にも引けはとっておらず、お互いの利益の為不可侵条約が結ばれており、余程の事が無い限り比較的安全な街なのである。
そんな街に僕達はこれから足を踏み入れようとしている。
「うぅ・・・ぎ、ぎもち悪いぃぃ・・・。うっぷ。」
「ちょっとミシェル大丈夫?」
僕は街に向かう乗り合い馬車に酔い街に着いたらも暫くその場でうずくまっていた。
アリアさんは流石に心配になり僕の背中を擦ってくれている。
「おいおい、馬車に酔うってどんだけだよお前。これからもう街に入るって所なのに。」
ルドルフさんは若干呆れ顔で僕の方を見ている。
「す・・・すみません・・・うぅ・・・。」
「そんな言い方ないでしょ!幾らミシェルが貧弱且つへたれでももう少し言い方ってもんがあるでしょ!ね!ミシェル。」
アリアさん・・・貴女の言葉の方が心を抉られます。
「仕方ねぇなぁ。もう少し休んだら行くぞ。街に入ったら街の責任者に会って事情を確認しねぇといけないし、情報も収集しないといけないから余り時間ねぇんだからな。」
ルドルフさんはそう言って頭をガリガリと掻いている。
「はい・・・すみません・・・ありがとうございます。」
それから半刻程たった頃、僕は漸く馬車酔いも醒めた。
「お待たせしました。もう大丈夫です。お二人共申し訳ありませんでした。」
「あぁ。もう大丈夫か?それじゃあ行くとするか。」
「本当ミシェル大丈夫?」
「本当大丈夫です。僕の事で時間潰してしまって申し訳ありませんでした。」
「良し!じゃあ行くか!」
「はい!」
「えぇ!」
街はデューク山の麓に形成されており、大きく分けてデューク山を背に一番手前より鉱夫達の住居、飲食店、歓楽街、宿泊施設後は諸々に分かれている。街の責任者は一番奥の鉱夫達の住居がある所にあり鉱夫達の現場監督も務めているようだ。僕達は街の中央通りを抜け、そのまま一番奥に居を構えている街の責任者に所へと向かった。
中央通りを暫く歩いていると店先で綺麗な女性達が立っており、通りを歩く男性達に声を掛けているのが目立った。そんな事を思って歩いていると僕に声を掛けてくる女性もちらほらと。
「ちょっとそこの可愛い坊や。お姉さんと良いことしない? 」
「えっ?僕の事ですか?」
「そうよぉ。お姉さん可愛い子好きだから沢山良い事してあ・げ・る。」
そう言ってやや薄着の体の線が分かる様な服を着た綺麗なお姉さんが僕の腕に自身の胸を押し当てる様に絡み付いてきた。
「えっ?えっ?あの・・・その・・・む、胸が・・・当たってますけど・・・。」
「うふふ。照れちゃって可愛い。そうよぉ。業と当ててるのよぉ。」
僕は何とも言えない柔らかい感触を腕に感じながら僕の腕に押し当てている胸の谷間にチラチラとちらつき目のやり場に困っていた。綺麗なお姉さんはそのまま僕を店の中に連れ込もうとしていた。
「今、急いでますから結構です!さっ!行くわよ!ミシェル!」
アリアさんは店の中に連れ込まれそうになっている僕を掴み綺麗なお姉さんから引き剥がした。
「ちっ!何だ!女がいるのか。商売の邪魔だからさっさと行きな!」
綺麗なお姉さんは先程までのにこやかな笑顔とは別に僕とアリアさんを睨みつけるかの様な顔をしてあっちに行けとばかりに手で払いのける動作をしている。僕は訳も分からず取り合えずその場を離れた。
「もう!ミシェル何やってんのよ!ホイホイ他の人に付いて行ったらダメでしょ!しかもデレデレしちゃって気持ち悪い!」
「ぼ、僕のせいじゃないですよ!イキナリあのお姉さんに腕を掴まれて・・・。」
「ミシェル。此処はもう歓楽街だからあの手の女はほぼ水商売の女ばかりだぞ。まぁそれでも大人の階段登りたければお兄さんは止めはしないんだが。」
「えっ!?大人の階段?」
「馬鹿ルドルフ!ミシェルに変な事吹き込まないでよね!」
「変な事じゃないさ。男ならどのみち遅かれ早かれ大人の階段登るんだからよ。只それが商売女かそうじゃないかだけの違いなだけだぜ?なぁ?ミシェル。」
ルドルフさんは顎に手をやり僕の方を見てニヤニヤ笑っている。
「えっ?僕もう大人ですよ?」
「えっ!?嘘!?」
「はぁ!?マジか!?」
何故か二人共驚愕した顔をしている。
「いつよそれ!てか誰よそれ!」
「おいおいミシェル。可愛い顔してやる事やってるなぁ。おい。」
アリアさんは何故かショックを受けてるみたいだけど、ルドルフさんは相変わらずニヤニヤ笑っている。
「えっ?だって僕15才ですよ?大人じゃないですか。」
「はぁ?何だそれ!そうじゃねぇよ!そういう意味じゃねぇよ!この天然さんが!」
「ふぅ。良かった。そんな事だろうと思ったわよ。だってミシェルだもんね。」
「あっ!二人してまた僕の事、子供扱いしてますね!もうしないって約束したじゃないですか!」
「あはは。ごめんてば~。」
「悪い悪い!」
「こらー!」
そのまま走って逃げる二人を僕は追いかけ歓楽街を走って通り抜けていった。大人になるって他に違う形があるのかな?そう思う僕だった。




