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回復支援て前衛でしたっけ?その2

更新遅くなって申し訳ありません。

これから僕達はギルドマスターのいる部屋へと向かっているのだが、ここで、ちょっと僕達の所属しているギルド【星屑】について説明しておこう。


ここ城塞都市オデッセイにあるギルド【星屑】のギルド長を務めているマギーさん。

本名【マーガレット=スインフォード】38才。30代にしてギルド【星屑】を創設した、元Sランクの凄腕冒険者だ。


Sランクにまでなるとそれぞれ畏敬の念も込めて呼び名を呼ばれたりするんだけど、マギーさんの場合冒険者時代に負った傷から【隻眼の女傑】と呼ばれていたり【隻眼竜】とも呼ばれたりしている。本人は余りその呼び名は好きじゃないらしいけど。


冒険者稼業において女性でありながらSランクになる事自体凄い事なのにギルドを立ち上げるなんて凄いを通り越している。


そんな僕達の所属しているギルド【星屑】は創設年数が浅くまだまだこれからの新進気鋭のギルドなんだ。


ただ、僕達のギルド長であるマギーさんの経営方針としては少数精鋭を基本方針としているだけあって、ギルド【星屑】に所属している冒険者の数は多くない。その変わりと言っては何だが新人に対し十分に経験を積める様、新人教育計画が組まれている。勿論、新人冒険者に対して担当のギルド職員が存在する。その辺りの細やかな配慮はギルド長が女性ならではって感じがする。


後はマギーさんの冒険者時代の経験からか、生存率を上げる為に基本同ランク同士ではパーティーを組ませる事は無く必ず1つ上のランクの冒険者か、経験豊富な冒険者を組ませる事にしている。

この事については、ギルド長であるマギーさんが人選して決めている。後、1度パーティーを組んだら余程の事が無い限りパーティーメンバーの入れ替えはしない事になっている。理由はそれまで培って来た連携が崩れる事によって死傷率が高まる事を危惧しているからだ。

勿論相性と言うものも存在するので、パーティーメンバーの人選はその後の生死を分けると言っても過言では無い為、ギルド長の責任は重大だ。

なので僕達の所属するギルド【星屑】での死亡率は今の所0である。これはどの他のギルドにも負けない位誇れる事だと僕は思う。


あれ?ちょっと待って。そうなると何で僕達の場合はEランク同士パーティーを組んでいるんだろう?しかも僕達二人だけだし。方針と違うよね?その辺りの事も含めてマギーさんに確認してみようかな。怖いけど。


僕はギルド長室のドアの前で「すうぅ・・・はあぁ・・・。」と大きく深呼吸してドアをノックしようとした時、


「マギーさーんいるー?」


アリアさんはドアの前にいた僕の横からスッと横入りしてノックもせずにドアを開け中に入って行った。


おいぃぃぃ!!僕の心の準備返せぇぇぇ!!


僕は完全に入るタイミングを逃してしまったまま、アリアさんの後に続き中へと入って行った。


「アリアにミハイルか。二人してどうした?何の用だい?」


部屋に入って直ぐの机の席に座り掠れた声で僕達に話掛けている女性がギルド【星屑】のギルドマスター、マギーさんである。


因みにマギーさんの直ぐ隣に並んで立っている男性がいるのだが、この男性はギルドマスター補佐、副ギルド長でありマギーさんの夫である【ロイズ=スインフォード】35才。

マギーさんより年令が3つ下で端正な顔立ちをしている。ロイズさんは元Aランク冒険者だったのだが、魔導師としてマギーさんの傍で活躍していた一流冒険者だ。二人並ぶと素人でも分かる程その雰囲気を醸し出している。


「あのうぅぅちょっとお願いがあるんですけどパーティーの件なんですけど。」


僕は恐る恐る聞いた。


「パーティー?それがどうしたの?」


少しだけマギーさんの眉がピクリと動くのが見えた僕は、


「い、いや、あの、その・・・。」


咄嗟に上手く言葉が出せず濁してしまった。

それを見ていたマギーさんが


「モゴモゴ言ってないで、男ならハッキリ言いなさい!」


マギーさんの物言いに圧倒され僕は直ぐに背筋をピンッと伸ばし姿勢を正した。


「はいぃぃ!!あ、あの僕はあれですし、アリアさんも前衛なので、ちょっと僕達だと厳しいと思いますのでメンバーを増やして欲しいかなと・・・。」


僕の要望を聞いてマギーさんは口元に手をやり少し考えた後、


「メンバーねぇ・・・ふむ。分かったわ。一人心当たりがあるから、明日また来なさい。此方で手配しておくから。」

(ちょっと癖のある子だけど・・・まぁ大丈夫でしょう。)


「あ、ありがとうございます!」


「アリアもそれで良い?」


マギーさんはアリアさんの方をチラリと見て確認した。


「わ、私?ミシェルがメンバー増やして欲しいって言ってたから私的には別に反対する理由ないしね・・・。」


「ふぅん。あらそう。」


マギーさんはアリアさんの方を再度チラリと見ながら口元をニヤリとさせている。


「もう!何!こっち見て笑わないでよね!マギーさんのお許しも出た事だしもう用件は済んだでしょ!ホラッ!さっさと行くわよ!ミシェル!私とのご飯行くんでしょ!」


何故か焦るアリアさんは、僕の袖を引っ張りながらギルド長室を後にしようとしていた。


「あ、ありがとうございました。ではまた明日来ますね。ロイズさんも失礼しました。」


ロイズさんは微笑みながら手を振って見送ってくれた。


「くくっ・・ふふっ・・あ、明日の昼、子の刻頃また此処に来なさい。新しいメンバーを紹介するわ。」


マギーさんは笑いを堪えながら明日の予定を僕達に伝え、行きなさいとばかりに手をヒラヒラとさせている。


僕はアリアさんに引っ張られながらも二人に一礼してそのままギルド長室を後にした。あっ!そういえば同ランク同士の件聞くの忘れたぁ~!まぁいっか。また明日確認すれば良いよね。



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