悔悛告白 1
俺が初めて人を殺したのは十五の時だ。
錬武館の同門生と些細なことから喧嘩になっちまってよぉ。罵り合いに始まり、殴り合いに変わり、しまいには斬り合いだ。どちらが先に剣を抜いたのかは覚えてねえし、どんな風に斬り結んだのかも覚えちゃいねえ。気が付いた時にゃあ、相手が血塗れになって倒れてた。
俺はすぐに町から逃げ出した。あとは無頼の道をまっしぐらだ。悪いことはなんでもやったぜ。押し込み、追い剥ぎ、かどわかし、強請りたかりに賭場荒らし、人形売りに陰間狩り、手込めに火付けに騙りに殺しと来らぁ!
そうやって悪事を重ねていくうちに仲間が一人増え、二人増え……町を出てから三年が過ぎた頃には、三十人を超える大所帯になってた。で、名無しでは格好がつかねえから、〈吼え猛るヤマネ団〉と名乗ることにしたのさ。
イカした名前のおかげで勢いづいたってわけでもないが、俺らは前にも増して派手に暴れまわり、行く先々でどでかい花火を打ち上げた。その甲斐あって、島中に悪名が広まったよ。もしかしたら、本土にも届いてるかもな。
――アレックス・ザ・ミディアムの悔悛告白