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過去
お父さんからの虐待は
物心ついたときから
すでに始まっていた。
辛くて、
苦しくて、
誰かに助けをもとめたかった。
お父さんは
お母さんがいる時には
絶対に暴力をふるわなかった。
2人の姿からは、
幸せというものが
溢れている気がした。
そんな2人の幸せを壊したのが
あたしだった。
誰かにお父さんを止めて欲しくて、
お母さんに暴力のことを
話した事が原因だった。
お母さんはあたしの話を真剣に聞いてくれて、大丈夫だよって言ってくれた。
そのとき
お母さんは泣いていた。
ある日
お母さんが出かけるふりをして、
あたしとお父さんを2人っきりにした。
お父さんが暴力をふるったときに
お母さんがあたしをかばった。
お母さんは衝撃で倒れた時に
打ち所が悪く
死んでしまった…
このことは事件はならず、
事故として処理されたらしい。
私がお母さんに話さなければ
お母さんは死ななかった…
だから辛くても我慢しなければならない
また他の人が傷つかないためにも。