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吸血鬼の慟哭  作者: 不田 颯奈夜
第二章
8/24

part2

 私の理性は実に冷静な判断を下し、正確な結論を出したと思う。

 今、私が居る森は木々が鬱蒼とし、昼間でも其れなりには暗い森だ。僅かな木漏れ陽が周囲を照らして居る。

 そんな普段の此の森を一言で表すなら、静寂。音は無く静かで、訪れる人は疎らで寂しい。

 然し、今は違う。音に溢れて居た、と迄は言わないが、少なくとも、普段の様に無音ではなかった。

 其れは勿論、早朝だから鳥の鳴き声が良く聞こえ、音が在る、と言う意味ではない。

 いや、鳥の鳴き声が聞こえない訳ではない。鳥の鳴き声も聞こえるのだか、其れに混ざって、明らかに鳥の鳴き声とは異なる音が聞こえるのだ。

 其れは、何種類かの、少しくぐもった様な人の叫び声。くぐもった様に聞こえるのは、僅かに木霊して居るからか。只、原因が何で在ろうと、一つ言える事実は、何を叫んで居るのか聞き取り辛い事。

 私は其の声を何とかして聞き取ろうとした。

 全神経を耳に集中させる。耳に色んな音が入って来た。数種類の人の叫び声。鳥の鳴き声。風に揺られ木々の葉が擦れ合う音。規則的に連続する軟らかい物を叩いた様な音。不規則に続く空気が孔を通る様な音。

 先ず、聴覚から鳥の鳴き声をシャットアウト。続けて、木々の葉が擦れ合う音を無視。柔らかい物を叩いた様な音も規則的で除外し易い。

 厄介だったのは、不規則に続く空気が孔を通る様な音。不規則な所為で除外が難しい。ならば、音源を絶てば良い。然し、音源が何処に在るのか分からなかった。

 早く叫び声を聞き取らなければ。私は焦った。息が荒く為る。

 同時に、空気が孔を通る様な音の間隔が早まった。

 此処でやっと気付いた。空気が孔を通る様な音、其れは私の呼吸の音だった。

 私は一度深呼吸して落ち着き、息を止め、そして最も邪魔だった音の音源を絶った。

 もう、私の聴覚はくぐもった人の叫び声しかしない。

 後は、くぐもった叫び声が何を意味するか聞き取る丈。

 其れは、余り困難な作業ではなかった。

 大凡の予想は出来て居た。今の私の状況で予想が付かない訳が無い。

 私は、聞こえる叫び声に私の予想して居た言葉を当て嵌め、何と叫ばれて居たのか確認作業を行った。

 ――確認完了。予想通り。

 叫ばれて居たのは、私の事を表す文字列。私の事を表す固有名詞。

 そう、私の事を表す……私の名前。

 其れは、私の探索が始まって居た証明。

 現状の私には明るく為った今の時間帯の方が危険だと言う、私の理性が私に告げた忠告は、実に正確だった。


 ホラーって何だろう。颯奈夜です。

 第二章-part2上がりました。

 次回辺りからホラー要素を詰め込められそうな気はしているのですが……自分でも本当にホラーになるか不安です。

 ホラーにならなくても多少は面白い話にしようとは思っているので、どうかご継読よろしくお願いします。

 ちなみに総アクセス200突破しました。皆さんありがとうございます。これからも宜しくお願いします。

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