表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼の慟哭  作者: 不田 颯奈夜
第二章
7/24

part1

 其れは、逃避行と呼べる逃避行だったのか。

 私は昏い森の中を彷徨った。当ても無く。

 若しかしたら私は何処かの方角に向かって居たのかも知れないし、同じ場所を行ったり来たりして居た丈かも知れない。

 其の時の私の頭の中は、御医者様から逃げなくてはならない、と言う事丈が支配して居た。

 だから、逃げた。

 ……否、途中迄は其の因果関係が成立して居たが、途中からは因果が瓦解し、手段が目的に化して居た様に思う。

 逃げる為に、躯を動かして居た。私は唯、“逃げる”と言う行為に傾倒して居たのだ。

 そして気付くと、黎明を迎えて居た。

 私は本能的に安堵を覚えた。矢張り人間、周囲の見えない闇を怖れ、辺りを確認出来る明を好む様に出来て居るのだろう。

 だが、理性が告げる。今の私が最も危険なのは、本能的に安堵を覚えた明の時間帯の方なのだと。

 そう、辺りを確認出来る明。其れは則ち、他人に拠る私の捜索が容易に為ったと言う事。

 本当の逃避行は、此れからだった。


 二章突入です。part1は短め。

 口上がなんか厨二ってるのはご愛嬌。

 part2もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ