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吸血鬼の慟哭  作者: 不田 颯奈夜
第二章
12/24

part6

「先ずは単刀直入に訊こうかな。君は如何して街を出たんだい? ……此れじゃあ単刀直入とは言えないな。訊き直そう。君は如何して街から逃げ出したんだい? 何から逃げて居るんだい?」

 吸血鬼ハンターさん――いや、本業は魔術師だって言ってたから魔術師さんと呼ぶべきか――魔術師さんは自分の髪を弄りながら何でも無さそうに、然し丸で全てを見抜いて居るかの様に私に問うた。

 そして、魔術師さんの眼は鋭く……有無を言わせず、私に唯、問いに答える様に促して居る様だった。

 こんな眼を向けられて黙って居られる程、私は強くなかったし、黙って居る意味も無かった。

「一寸、長く為るけれど、良いですか?」

「構わないよ。別に私には時間が無い、なんて事も無いしね」

「私が居た村で病が流行って居た事は御存知ですか?」

「ああ。村で流行り病が在って、其の病の罹患者を、吸血鬼かも知れない村の領主が勝手に片っ端から隔離して居る。そんな話は聞いて居るよ」

「私の母も、多分其の流行り病の罹患者だったんです」

「ふーん」

 其の後、私は話を続けた。母が死んだ事。母と共に御医者様に領主様の元へ連れて行かれそうに為った事。私は御医者様から逃げた事。そして、私の捜索が始まって居た様で、私は其の捜索の手から逃れる為に隠れて居た事。

「ふむ、概要は理解した。成る程ね。一寸気に為る事も有るけど……まぁいいや」

 そう言うと魔術師さんは持って居た袋から布を取り出した。

「此の辺りには結界を張った。多分誰も近付けない。一晩過ごす為にテントを張るから手伝って呉れるかい? 今日はもう休むよ。私も一日歩いて疲れたし」

 えっと……其れは、

「あの、私と御一緒して貰えるって事ですか、一晩?」

「当たり前だろう? 僕は君に街まで案内して貰う積もりなんだからね。一緒に居るのは当然だよ」

 心強かった。兎に角、私はテント張りを手伝い始めた。


 颯奈夜です。

 第二章、(多分)完結です。

 次から話が動き始める(予定)です。

 次回からも継読よろしくお願いしますね。

 最近鬱気味、颯奈夜でした。

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