薄暗い夏、手持ち花火
囃し立て、ざっくばらんへ刻め。
足音の遅れに意識を奪われ、優しい手を差し延べる人よ。
嗚呼、夏の薄氷。
風だ。
雨だ。
光だ。
きっと、緩やかに感情は……。
けれど、煩い花火は打ち上げ。
手に持った小さな灯、大きく揺れては灰を生み、少しだけ微笑み。
嗚呼、煩き夜。
溶け込み、冷たく滲む。
凌辱と花火。
小さな光をその手から伸ばし、灯に囚われた瞳は少しずつ眠り始めた。
焼けていく景色は、どれ?
嗚呼、小さな音。
今も何故かで涙しているのか?
何度も手を差し延べてくる手に疎外感を覚えた。
だから、甘やかす鬱に愛を誓った。
虚と、弔い。
涙は消して。