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思いがけない幸運

そうして、朝のHRに入るや否や、彼女の周りにはとんでもない数の人が集まり大量の質問が飛び交っていた。


「ーーまあ予想はしてたがとんでもないな」


メロディさんの席に行ってないやつは俺と見事今日の掃除当番を1人で任させることになり絶望してるやつだけだろう。



「ひどいぞ悠よ、親友を売るなんて」


そんな恨み言が聞こえてくる。正直いつまで経ってもこの状態でいられても俺からしたら面倒なだけなため



「それはそうと良いのか?このままだとお前朝の印象のままで彼女に認識されるぞ」


と心にもないことを言ってみた。別に朝の印象が特段悪いわけではないし、むしろ俺からしてみれば少し羨ましいレベルなのだがこいつからしてみればー


「あ、やべぇわ確かに!?流石にそれは挽回しねぇと!ちょっと言ってくる!!」


そう言い残してあの集団に突進して行った。


「はぁ、」


その行動力に感心しながら、その集まりの中心にいる彼女を少し見てみると、沢山の質問にあわあわとしているがそれでも笑顔を絶やさずに受け答えをしている。



初めての異国の地。未知の言葉に環境である上に日本語なんて最難関の言語であるはずなのにスラスラと話しているなんて。



「綺麗な日本語だな」


「そうだよなぁ」


いきなり隣で声がしてビクリとしながら隣を見るといつの間にか龍が戻ってきていた。



「もう良かったのか?」



「おぅ!時間も時間だし聞きたいことも聞けたしな!」



そう言ってにししと笑っている。こういうところはしっかりしてるのがこいつの憎めないところだ。



「ちなみにどんなこと聞いたんだ?」



「ふっふっふ、俺は出身国を聞いてきたぜ!」



そう自信満々に言ってくる龍に対し思わず疑問符を出してしまう。



「なんか意外だな?てっきり恋愛関係の質問でもしてくるのかと思った」



そう言うと龍はニヤついて



「甘いな悠、そうゆうのはもっと親密になってからよ。まだまだそうゆう質問するのはまだ早いぜ」



••••なんでこいつはこれから親密になれると確信持ってるんだろうな。その自信はどこからくるんだろうなんて呆れているとー



「彼女、シンガポール出身らしいぜ!」



とそんなことを言ってくる。それを聞いて俺は思わずたじろいでしまう。シンガポール、俺にとっては切っても切れぬ国であり、恥ずかしい思い出がある国だ。



「ーーシンガポールか、それはまた随分遠くから来たんだな?」



「ああ、まあ来た理由はあくまで留学だし日本に興味があったって言うシンプルな理由だったけどな」



へぇ〜とそんなことを話していると莉奈先生が入ってきて時間ギリギリまで彼女に質問をしていた生徒も自分の席へと戻っていく。

 みんなが離れていくのを見て彼女は手を胸においてほっと息をついていた。流石に疲れたんだろう。



「さて、授業を始める。とその前に一つ決めたいことがある」



そんな先生の一言でみんなざわざわと話し始める。今は6月だから、体育祭の実行委員でも決めるのか?なんてそんなことを考えていると



「メロディは今日初めて学校にきて構造などを理解できていないから、誰か1人今日放課後残って彼女に学校を案内してほしいのだがーー」


そう先生が言い終える前に教室は大騒ぎとなった。まじで!?なんて声や俺やる俺やるなんて声が飛び交ってまさに学級崩壊したみたいだった。そんな中龍はーー


「うぉおお〜!!チャンスじゃねえか!絶対なってやる!!」



とメラメラと炎を燃やしていた。まあ、お前今日掃除当番だけどな、とそんな言葉が出そうになったが流石に可哀想なのてあえて言わずにいることにした。



「ところて悠はいいのか?」



と、少し落ち着いた龍が聞いてきた。



「ああ、大丈夫。流石にこんな人数いる中で勝ち残れる気がしねえわ」



「夢ねぇなぁ相変わらず、やってみなきゃわかんないだろ!」



「なんでお前は自ら参加者増やして確率下げてんだよ」



と呆れながらにツッコミを入れていると



「静かにー!」



と莉奈先生が叫ぶ。その声を皮切りに次第に静かになっていった。



「はぁ、まあこうなることは分かっていたからな。くじ引きを作ってきた!この箱に入れてあるから引いていけ」



一斉に開けるからまだ開けるなよ、と先生の注意が終わったとたんみんな一斉に箱に向かっていった。

 ふと気になって彼女を見てみると凄く焦ってるような、申し訳なさそうな顔をしている。多分莉奈先生の思いつきに巻き込まれてるんだろうなぁーー



「柳!あとはお前だけだぞ早くしろ!」



と先生に言われて慌ててくじをもらいに行く。龍のやついつの間に取りに行ったんだと隣を見るが龍はずっと神頼みしていてそれどころじゃなかったんだなと気づいた。



「全員取ったな?それじゃあ開けろ!」



そう言われて全員すぐに開けて、当たらなかった人の悲痛な声が聞こえてくる。主に隣から



「龍、お疲れ様、掃除頑張れ」



「結果言ってないし最悪の慰め方だぞそれ!?」



そんな龍のツッコミは華麗にスルーしてまだ開けてないくじを見る。残り物には福がある、なんてよく言われるが現実はーー



「あ、お前まだ開けてないのかよ!はよ開けろ!そして一緒に悲しめ!」



などと急かすような声が聞こえてきたので仕方なく開けるとーー



「へ??」



「••••まじか」



と龍と俺は素っ頓狂な声をあげてしまう。




「さて?それで当てたのは誰だ?」



そんな莉奈先生の声が聞こえたので俺は当たりくじを手に持ってーー



「俺です...」



とそう言いつつ彼女を見た。すると彼女は俺の視線に気づいて少し驚いてからニコッと笑顔を返してくれるのだった...


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