表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おす猫ものがたり  作者: アフ 郎
2/3

2話 おす猫と匍匐前進

これまでのあらすじですにゃ~。

坂森家のペットとして僕は現代で暮らしていましたにゃ。

坂森家の長兄「照焼てりあき」の趣味<ダンス>を見ていた僕は照焼の放つ光に包みこまれましたねぇ。目を覚ますとそこは見たこともない草原が広がっていましたにゃー。




2月10日 PM 10:00 Field ハイウィンド平原


まー君

「・・・いやーん」


大きなあくびをするおす猫がいた。


まー君

「よく寝ましたねぇ、気分がいいですにゃ~」


おす猫はそう話した後、毛づくろいを始めた。

寝てる間についた寝ぐせを整える。おす猫のエチケットだ。


まー君

「それにしてもここはどこですかぁ?ドッキリにしては壮大ですねぇ~」


おす猫は首を振って、辺りを見渡した。

日はすっかり落ちていて、真っ暗な空には月が浮かんでいる。


まー君

照焼てりあき~!鯵之開あじのすけ~!どこですか~!」


おす猫は飼い主の名前を叫んだが、返事が返ってくることは無かった。


まー君

「パパ上~!ママ上~どこにいるんですか~!っていうかここどこですかぁ~!!!」


草原に響き渡るおす猫の甲高い声。返事がない事に不安を抱き始めたおす猫は


まー君

「ワオーン!ワオーン!!」


と雄たけびをあげ始めた。

すると今度は返事が返ってきた。


漆黒の巨鳥

「クアアアアアアア!!!!!!!!」


まー君

「いやぁーーーーん!!!!」


おす猫の声に反応したのはハイウィンド平原<夜の王鳥>クローデスだったようだ。

縄張りを荒らすおす猫はどこかと空を飛びまわっていた。


まー君

「やってられないですにゃー!見つからないように逃げるにゃー!」


クローデスの視界に入らないように匍匐前進のように草原を進むまー君であった。






2月11日 AM 5:00 Field ハイウィンド平原外れの小道


まー君

「死ぬかと思いましたにゃー」


とぼとぼと小道を歩くおす猫がいた。

這いながら逃げることおよそ6時間なんとかクローデスの縄張りから抜け出したのである。


まー君

「というかここはどこですかねぇ~。夢なら早く覚めてほしいですにゃ~」


小道を歩きながらおす猫は現状に文句を言い始めた。


まー君

「っていうかここどこですにゃー!なんで照焼のダンスが光ったのか未だに意味不明ですにゃー!その照焼はどこですにゃー!餌がほしいですにゃー!高いのじゃないと食いませんにゃー!!」


愚痴が止まらないおす猫は肩を張って歩いていく。

おす猫がぷりぷりと怒りながら歩いていると、道先から話し声が聞こえた。

どうやらこちらに向かって来ているようだ。

警戒心強めなおす猫はサッと草の陰に身を潜めた。

・・・話し声が聞こえる。


明るい男の声

「これからよろしくなミコト!お前がパーティーに来てくれて助かった!」


大人しそうな女の声

「うん・・・!皆の役に立てるよう、私頑張るね・・・!」


軽い口調の男

「まぁそんな緊張しなくてもいいぜ、心配せずとも手取り足取り教えてやるからよ!」


明るい男の声

「まったくお前ってやつは・・・!」


軽い口調の男

「冗談だよ、冗談・・・。これだから堅物タンクは・・・ねぇ?ミコトちゃん」


3人は、おす猫が歩いてきた道へ去っていった。

人影がない事確認したおす猫は草陰から飛び出した。


まー君

「・・・興味深いですにゃ~」


おす猫は先ほどの会話内容について思考を巡らせた。

まずパーティーという単語。

これは照焼がやっていたRPGゲームに出てきた単語で意味は冒険を共にする仲間だったはず。

そして堅物タンク。

堅物はよくわからないが「タンク」もゲームで聞いたことのある単語だ。

意味は仲間を守る盾役だったはず。

( ゜д゜)ハッ!

おす猫の考えは一つの答えを導いた。


まー君

「いや~ん!ここ異世界ですにゃ~~!!!」


いかにもめんどくさそうなおす猫の叫び声が木々を揺らした・・・気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ