第10話 聖女の力③
「ローズ、覚えている?前に聖女について説明したよね?でね、聖女の力の使い方を教えてあげたいんだけど、僕もわからないんだ。聖女に関する資料が少なくて、ごめんね。」
そうなんだ。やはり聖女が現れることは少なかったんだ。
「でね、作戦を立てようと思うんだ。前にも話したけれど魔物の力で1番厄介なのは・・・」
「土地を腐らす力?」とどこからか声が聞こえてきた。
きょろきょろとあたりを見回すといつの間にかパルがいた。
「パル!いつの間に?」
パルと出会ったのは、ついさっき。
まだどうしたら来てくれるのか、どのタイミングでいなくなるのかがわからない。
するとパルは、私の心を読んだように教えてくれた。
「僕はね、ローズがピンチの時とか一緒にいたいと思ったときに来るよ。まぁずっといることもできるけどね。でもさぁ、ここ空気がまずいんだよね。」
「空気がまずい?」
ウィル様が何かに気が付いたようにパルに尋ねた。
「やっとわかった?ここね、邪悪な気で満ちていて長い間居たくないんだよね。でも、ローズが空気を浄化してくれればいいんだけど。」
そう言うとパルは、何かをねだるような眼で私の方を見てきた。
「パル、浄化してあげたいんだけど、方法が分からないんだよね。教えてくれる?」
すると、パルはそうか!という顔をして聖女の力の使い方を教えてくれた。
「ん~とね、まず両手の手のひらを力を使いたい方にむけて、使いたい力を思い浮かべながら『アフィルラーテ』と言ってみて。」
パルに言われたとおりにやってみるけど、何も起きない。
「パル、どうしよう。何も起きない。」
「きっとね、ローズ。思い浮かべているものが違うんだよ。前の聖女様はね、『色』を思い浮かべてたよ。
思い浮かべて、使える力も人によって違うんだけどね。」
色?空気を浄化するんだから綺麗なすんだ水色かな?
私は前世おばあちゃんと一緒に見た空の色を思い浮かべることにした。
パルに言われたことを思い出して、手を広げる。
前世見た空の色を思い浮かべて「アフィルラーテ」と精霊の名前を口にした。
すると、どこからか声が聞こえた。
__あなたはきっと世界を変える
どこからか、そんな声が聞こえた気がした。




