もふもふたちと鬼ごっこ!
「さーて、折角いい天気だし、溜まった洗濯物でも回すか」
「「「「「はーい!!」」」」」
私が朝食兼昼ご飯を食べ終えた頃には、私の周りで眠っていたぬいぐるみたちは目を覚ましていた。
洗濯機のところに行き、洗濯かごに溜まった洗濯物をどかどかと洗濯機に突っ込めるだけ突っ込み、パタンと蓋を閉め、スイッチを押した。
ゴウンゴウン……
洗濯機の中で洗濯物がグルグルと回ってる。ぼーっと、洗濯物が回る様子を見つめていると、私の肩や頭に乗っかっているぬいぐるみたちも、じっ……と見つめていた。
「そういえば、あんたたちもそろそろお風呂入らないとね~」
回る洗濯機を見つめながら、ぽつりと私が言うと「お風呂……?」と、ぬいぐるみたちは声をあわせて言い「お風呂きらいーっ!!」っと声を上げながら、ぬいぐるみたちはみんな私の体から降りて逃げていった。
ぬいぐるみたちはお風呂が嫌いなのだ。
「ちょっ、今日は入れないよ!あんたたちを入れるなら、朝早くから入れなきゃだし!てか、乾くのに何日もかかるから私もあんたたちはあんまり洗いたくないし!」
本当なら、こまめに洗ってあげたいけど、動物や人と違って、ぬいぐるみたちを洗って乾かすのにどうしても何日かかかる。乾燥機を使ったら早く乾くけど……乾燥機で回されるぬいぐるみたちも、そしてそれを見ていた私も嫌だったので、乾燥機はもう2度と使えない。
「もー!洗わないってば!逃げないでー!」
ぬいぐるみたちを捕まえようとするけど、ぬいぐるみたちはぽぴゅぽぴゅとあっちこっちに逃げ回る。
「ママこっちでしゅよ~!」
「ママーン早く私を捕まえて♡」
「ママ……おほんっ!さあ、僕を捕まえられますかね?」
「やーいやーい!母上ののろまぁ~お尻ペンペン」
「マ、ママさん、頑張ってわたしたちを捕まえてください!」
いつのまにか、鬼ごっこになっていた。
「まてまてー!」
どたどたと、ぬいぐるみたちを追いかける。けど、ぬいぐるみたちの足が早いのか、私が運動不足すぎるのか、誰も捕まらない。そして。
「はー……つっかれた!ギブアップ!」
私は床に寝転がりギブアップ宣言した。
「だらしないでしゅなーママ」
はあはあと息を上げながら、私がギブアップ宣言をすると、ぬいぐるみたちは私のところに集まってきた。みんな集まってきたところを……
「スキあり!はい、捕まえたー!」
私はぬいぐるみたちをいっぺんに捕まえた。
「それは卑怯ですよ!」
と、柴田さんは怒った風に言いながらも、私の胸の中でなんだか嬉しそうにしていた。他のぬいぐるみたちも私に捕まり、きゃいきゃいと嬉しそうにしていた。
「もー鬼ごっこはおわりね。はい、もふもふぎゅっぎゅっ!」
と、私がぎゅうっとぬいぐるみたちを抱きしめると、さらに嬉しそうな声をあげた。