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もふもふもふもふふっ!! ~ ぬいぐるみのいるせいかつ ~  作者: 徳田タクト卍
☆ぬいぐるみたちと、もふもふでふわやかな日常☆
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もふもふたちと、明けましておめでとうございます!



「え~……オホンッ!明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」


 と、私がそういうと。


「「「「「え~……オホンッ!明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」」」」」


 と、ぬいぐるみたちは私の真似をしてそう言った。今日は1月1日、お正月だ。


「それにしても、休みだからって寝過ぎですよ!今もう何時だと思ってるんですか!昼の1時ですよ!」


 と、柴田さんが新年早々キャンキャン吠える。


「え~……いいじゃん、休みなんだからさ~。休みの日くらいだらだらさせてよ~……」

「何言ってるんですか!?休みは休みでも、今日は新年!新しい年の初日なんですよ!初日からこんなぐうたらしてたら、今年一年締まらない年になりますよ!」

「それなら大丈夫だよ~。ぐうたらは私のそもそもの性格だから。もう治らないよ」

「つまらない屁理屈言わないで下さい!貴女の場合、ただ単に治す気がないだけでしょう!?」


 と、柴田さんはさらにギャンギャンと怒り声をあげた。


「はいは~い分かった分かった。そんなことより、カルタしようよ。カルタしたい人~手上げて♪」

「ちょ、またこうやって貴女は誤魔化す!」

「柴田さんはカルタしないの?」

「ぼっ、僕は~……」


 柴田さん以外のぬいぐるみは「ハイハイ!」と、元気よく手を上げていた。周りのぬいぐるみたちを見て、柴田さんは渋々といった表情をしながら、ゆっくりとふあふあの手を上げた。


「よっしゃ!じゃあ、カルタ広げるね~」


 そう言って私は、ぬいぐるみたちの前に、可愛い絵が描かれた取り札をバラバラに広げた。ぬいぐるみたちはその広げた取り札を囲むようにして正座で座った。


「私は読む係ね~。みんなはそれに合ったカルタを取ってね」

「「「「はーい!」」」」

「じゃあ始めるよ……オホンッ!」


 私がそう言って咳払いすると、ぬいぐるみたちは真剣な眼差しでカルタを見つめ始めた。ぬいぐるみたちのこんな真剣な眼差しは、中々見れないから貴重で。そして、そんな真剣な眼差しをするぬいぐるみたちも可愛いらしい。

 そして。


「『ありさんが~てくてくてくと~あ……』」

「はいっ!」


 最初に取ったのは、スネービーだ。スネービーは尻尾の先でそのカルタをびたんっ!と叩いた。


「お~!スネービー早いでしゅ!」


 と、くまくま。


「スネービーはカルタ得意だもんネ~」


 と、うさろん。


「と、得意かどうかは分かりませんが、取れて嬉しいです」


 と、スネービーは少し照れながらそう言った。


「さー!みんなも負けてらんないよ!読むよー。えーっと……『たぬきさん~ぽんぽこぽ……』」

「ハイッ!」


 と、次は柴田さんがカルタを取った。


「はい次行くよー。『け……』」

「はいでしゅっ!」


 と、次はくまくまがカルタを取った。


「おー!くまくま、今のはけっこう早かったよー!すごい!」

「エヘヘ♪」

 

 と、くまくまは頭の後ろをかくような仕草をしながら照れた。


「いや~ん!うさろんもがんばるぅ~!」


 と、うさろんは悔しそうな顔をしながら言い。


「我輩も次こそ取るのにゃー!うさろんなんかに負けないのにゃー!」


 と、ちゃとにゃんはぴょんぴょんと跳ねながら言うと、バチバチバチっ!とうさろんとちゃとにゃんは睨み合った。


「おお~2人とも燃えてるね~!じゃあ次行くよー!『かっぱさん~川……』」

「「はいっ!!」」


 と、ちゃとにゃんとうさろんが同時くらいに、そのカルタに手を置いた。


「ちょっと!うさろんが先に取ったんだヨ!」

「違うにゃ!我輩の方が先に手を置いたのにゃ!」


 と、ちゃとにゃんとうさろんはそのカルタを掴み、引っ張りあいを始めた。


「ちょっと、ケンカしないの!今のはどっちも同じ早さで取ったから、じゃんけんして!」


 と、私はグーチョキパーの絵が描かれた、ぬいぐるみたち専用のジャンケンカードを持ってきて、ちゃとにゃんとうさろんに渡した。


「はいじゃあジャンケンするよ。ジャンケンポンッ!」


 と、ちゃとにゃんとうさろんは、ジャンケンカードを上げた。ちゃとにゃんはグーのカードを上げ、うさろんはチョキのカードを上げた。


「ちゃとにゃんがグーだから、ちゃとにゃんの勝ちだね」

「わーい!我輩の勝利にゃー!」

「ひーん!負けちゃったぁ~……」


 と、ちゃとにゃんはぴょんこぴょんこと嬉しそうに跳び跳ね、うさろんは負けてしょんぼりしていた。


「うさろん、カルタはまだいっぱいあるよ!頑張って~!じゃあ次読むね──」


 その後も、ぬいぐるみたちはカルタをパシパシと取っていく。そして、後2枚になったところで──


「よし!もう後2枚だから、次読んだカルタを取ったらこれで終わりにしようか」

「「「「「はい!」」」」」


 いつになく真剣な面持ちのぬいぐるみたち。最後の一枚を取るために、目の前の2枚のカルタをじーっとみつめる。そして……


「『そ……』」

「はいにゃー!」


 と、ちゃとにゃんが勢いよくカルタに手をのせる。けどそれは『そ』ではなく『ぬ』のカルタだった。


「あー!『そ』じゃなくて『ぬ』取った!お手つきです!ちゃとにゃんさんは一回お休みです!」

「えー!そんにゃ~……」


 と、柴田さんが言うと、しょんぼりしながらちゃとにゃんは『ぬ』のカルタを戻した。


「残念だったね、ちゃとにゃん。じゃあ読むよ~……」


 しょんぼりしながらカルタをみつめるちゃとにゃん。ちゃとにゃん以外のぬいぐるみたちは、2枚のカルタをじーっとみつめる。

 そして。


「『ぬい……』」

「はいっ!!」


 と、誰よりも早く取ったのは──スネービーだった。


「おー!スネービーやったね!」

「はい、やりました」


 と、スネービーは嬉しそうに満面で微笑んだ。いつもは照れながら小さく微笑むけど、こんなに満面で微笑んだスネービーは滅多に見られない。そして、すごく可愛い。



 その日のカルタは、スネービーが圧勝したのでした。



明けましておめでとうございます。

今年も「もふもふもふもふふっ!! ~ ぬいぐるみのいるせいかつ ~」を、どうぞよろしくお願いいたします。


主より。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あけましておめでとうございますでもぐぅ~♡♪ヾ(o´∀`o)ノ☆彡 オイラも、カルタやりたかったもぐっ!! やっぱり、スネービー姉さん来たかもぐ。 ぬいぐるみ仲間じゃ、随一かと想ってたもぐ…
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