もふもふたちを抱きしめながら、おやすみなさい。
「あ~ちくわ丼美味しかった~」
お隣さんにもらったちくわを、親子丼のようにとろとろの卵でとじてみたら、ものすごく美味しかった。
「ちくわがまだたくさんあるから、明日もまたちくわ丼にして食べよ~♪」
そんな独り言を言いながら、がちゃりと寝室の扉を開けると。
「ん?」
私のベッドの布団の真ん中がもこっと膨れ、何やらモゾモゾと動いていた。
(静かだな~と思ったら……)
クスッと小さく笑い、私は。
「あっれー?そう言えばぬいぐるみたち、何処に行ったんだろ~?お~いみんな~?」
大きめの声でわざとそう言いながら、ゆっくりとベッドの方へと歩く。
「ま、いいや。先に寝ちゃっとこ~」
と、布団をめくると。
「「「「「ばぁ!」」」」」
と、ぬいぐるみたちがいっせいに布団の中から飛び出てきて、私に抱きついてきた。
「ぅわっ!あんたたちそんなところにいたの?」
そこにいるのは分かっていたけど、知らなかったフリをする。
「へっへー!ビックリしました?ママ」
くまくまは、まあるくてちいさなしっぽをぴこぴこと振りながら、目をきらめかせて言った。
「ビックリしたよ~も~!」
「イェーイ☆ドッキリ大成功♡」
うさろんも、まあるいしっぽをぴこぴことさせながら、大喜び。
「ぼっ、僕は下らないって言ったんですけどね」
そう言いながら、柴田さんもしっぽをパタパタ。
「母上、我輩ともっと遊ぶのにゃ~!」
ちゃとにゃんも、しましまのしっぽをパタパタ。
「ちゃとにゃ~……ん、ごめんだけど今日はもう眠いかな?」
「あの、お疲れのところ驚かせてすみませんでした……でも、すみません、ちょっと楽しいとか思っちゃいました」
私の腕に巻きつき、オドオドしながら言うスネービー。スネービーも、しっぽを小さくパタパタとさせていた。
「ううん、ビックリしたけど、楽しかったよ。ありがとう」
と、腕に巻きつくスネービーの頭をなでなですると、スネービーは「えへへ」と、舌をちょろちょろさせながら、ちいさく微笑んだ。
「えー!スネービーなでなでされてるぅ!うらやま~!」
「ボクもなでなでされたいでしゅ!」
「我輩も我輩も!」
「ぼっ、僕は別に……でも、撫でたいのでしたら撫でても構いませんよ?」
「あ~もう、はいはい」
みんなの頭をなでなですると、嬉しそうにしっぽをパタパタ、ぴこぴこ。
「……もう眠たいから寝るね」
ふぁおと大きくあくびをし布団に潜ると、ぬいぐるみたちも一緒に布団に入ってくる。
「じゃ、電気消すね。お休み~……」
電気を消しながら、私がそう言うと。
「おやすみなしゃい」
「おやすみぃ~」
「おやすみなさい」
「おやすみにゃ~」
「おやすみなさいです」
布団の中で、ぬいぐるみたちはそう言いながら、私にもふもふと抱きついてきた。
おやすみなさい。私の可愛いぬいぐるみたち。
また、明日ね。