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もふもふもふもふふっ!! ~ ぬいぐるみのいるせいかつ ~  作者: 徳田タクト卍
☆ぬいぐるみたちと、もふもふでふわやかな日常☆
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もふもふたちと、ちりんちりん。



「う~…あづい~…」


 リビングの床の上でごろごろしながら、洋服の胸元をぱたぱたと扇ぐ。まだ朝の8時だけどもうすでに暑い。ベランダの窓を開けながら、扇風機を回してるけど…暑い。


「そんなに暑いなら、クーラーを点ければいいじゃないですか」


 と、柴田さんが言う。


「ん”~…クーラー点けたいけどさ~…最近電気代が上がってるから、あんまり電気を使いたくないんだよね~…」


 と、床の上でごろごろと転がりながら言う。



 今日は仕事休み。特に出掛ける予定もないし、ていうかまだ朝なのに既に外は太陽がギラギラしてて暑いから、外に出たくないし~…ということで、家でごろごろしてるけど~…


「…やっぱ点けようかな?いやでも、朝からクーラー使いたくないなぁ。せめて、昼後…いやでも朝から暑すぎー!」


 外でミンミンとした蝉の声がする。その蝉の声を聞いてると、余計暑さが増す気がする。


「あー!蝉うるさーい!蝉の声のせいで余計暑いよ!」


 と、私が叫ぶと。


「やれやれ、蝉に八つ当たりとは」


 と、柴田さんが首を横に振った。


「だあって~…蝉の声聞いてると余計暑く感じるんだもーん…くそ~…何か涼しくなる方法ないかな?」


 床の上をごろごろと転がりながら考えていると。



 ─────…リン…



「ん?」


 微かに、外から風鈴のような音が聞こえてきた。


「風鈴か~…あ、そうだ!たしかクローゼットの中に~…」


 と、私は飛び起きると、寝室に急いで向かいそして、クローゼットを開けてがさごそと探った。


「─あった!」

「どうしたんでしゅか?急に起き上がってここに来て…」


 と、くまくまたちが私のところに駆けてきた。


「ほらほら、風鈴!昔お茶のおまけについてたやつなんだ~」


 ちりんちりんと揺らしながら、私は言った。


「風鈴~!キレイな音~♪」


 と、うさろんが目をキラキラさせながら言う。


「これを~…」


 私は風鈴を持って、リビングに向かった。そして、開いたベランダの端に、風鈴を引っ掛けると。



 ─…ちりん、ちりん…



 風が吹くたび、風鈴が揺れてちりんちりんと涼やかな音を奏でる。


「はぁ~…良い音。この音を聴くだけで、何だか少し涼しくなった気がするんだよね~…」

「音だけで涼しくなるもんですか?」


 と、柴田さん。


「なんとなーくだけどね。不思議だよね~、ただ音が鳴ってるだけだけで、気温が変わるわけじゃないんだもん」

「そうなんですね、ほんと不思議ですね」


 と、スネービー。



 ─…ちりん、ちりん。



 外から風が吹くたび鳴る、風鈴。


 ぬいぐるみたちと一緒に風鈴の奏を聴きながら、少しだけ涼しさを感じるのだった。



 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 目に浮かびます~♡♪(*´ω`*)☆彡 脳内にて、もふもふのアニメーションを数分間、観させていただきました♡♪ なんか、得体の知れない『クーラー点けたら負け感』て、ありますよね。 扇風機は…
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