もふもふたちと、虹を見上げる。
「ママ、みんな!ベランダに出て、お外見てみてくだしゃい!」
「んあ~…どうしたの?くまくま~…」
「いいから早く起きるのでしゅ!早くしないと消えてしまうのでしゅ!」
今日は休日。ベッドでぬいぐるみたちと一緒にだらだらと眠っていると、くまくまがふあふあでやわわかいお手々で、私のことをぽぴゅぽぴゅと叩いて起こしてきた。何だかとても慌ててる様子。
「んえ~…消えるってぇ?」
と、うさろんが目を擦りながら起き上がる。
「そうでしゅ!急がないと消えちゃうやつでしゅ!早く起きるのでしゅ!」
「朝っぱらから騒々しいですねも~…」
と、柴田さんも眉間にシワを寄せながら体を起こす。
爆睡して起きないちゃとにゃんとスネービーをベッドルームに残し、私とうさろんと柴田さんは、くまくまの後ろをついていくようにして、ベランダの方へと向かった。
すると────
「おお~…虹だ」
ベランダの向こうに、見たこと無いほどの大きな虹が、青空にくっきりと橋を架けていた。
「きれ~♡」
と、うさろん。
「よくみかける虹はぼんやりとしてますが…この虹は、大きくて色が綺麗に七色に見えますね」
と、柴田さん。
「よくみつけたね、くまくま」
と、私がくまくまに言うと「えへへ」と、くまくまは嬉しそうに頭をかいた。
「早くに目が覚めて、なんとなくベランダの外を見上げたら、この虹があったのでしゅ」
「ちゃとにゃんとスネービーにも写真撮って、後で見せよ」
スマホを持ってきて、その大きな虹をパシャリ。
ベランダの手すりにもたれ掛かりながら、虹が消えるまでぬいぐるみたちと虹を眺めた。