もふもふたちと、桜並木をお散歩する。
「今日は天気いいし、近所の桜並木が綺麗に咲いてるから、お花見にでも行こうか」
「「「「「わーい!!」」」」」
背中と前の方にリュックを2つ掛ける。背中のリュックには、私のお昼ごはんや飲み物を入れ、前のリュックはぬいぐるみたちを入れる専用のリュックだ。私がそのぬいぐるみたち用のリュックを前に掛けると、ぬいぐるみたちは私の身体にぴょんすぴょんすと飛びつき、んしょんしょとリュックに入ってきた。
見た目はまるでカンガルーの袋のようになっており、その袋には5つのぬいぐるみたちが入っているが、ぬいぐるみなのでほとんど重さはない。
「よっしゃ、準備できたかな?行くぞ~」
「「「「「おーー!!」」」」」
そう言って、私とぬいぐるみたちは外に出た。
。.:*:・'°☆
「わ~…」
桜並木の前に立つ。並木道の前に立ち、遠く続く桜色の道を見ていると、なんだか不思議な気持ちになる。まるで、絵画を見ているような…それくらい、並木通りの桜が満開に綺麗に咲いていた。
「キレ~イ♡」
と、うさろんはリュックから顔を出しながら、うーっとりと桜を見ていた。
「ほんと、しゅごくキレイでしゅね」
と、くまくまもリュックの中から、ぽーっと桜を見上げる。
「一面、桜色で素敵ですね」
と、柴田さんもリュックの中で桜を見上げながら、うんうんと頷く。
「まるで、絵本の世界のような、美しい風景ですね」
と、スネービーもリュックの中から、桜をうっとりと見つめていた。
みんな、桜の織り成す幻想風景に静かに魅入っている中。
「ふおー!花びらひらひら~!興奮するのにゃー!!」
ちゃとにゃんはリュックから飛び出し、私の頭の上でばったばったと暴れながら、降り落ちてくる花びらにじゃれていた。
「ちゃとにゃんさん…あなたには、美を嗜むと言うものが無いのですか?」
柴田さんはそう言って溜め息を吐いた。
「び?たしなむ…?よく分かんないけど、このひらひら追いかけるの楽しいにゃ~!」
と、ちゃとにゃんは降ってくる桜の花びらにネコパンチをしながら楽しそうにした。それを見て、また溜め息を吐く、柴田さん。
「まあまあ、楽しみ方はみんなそれぞれでいいんじゃないですか?それより、桜並木の中を歩きましょう」
と、スネービーが言った。
「まあ、それもそうですね。みんなが楽しんでるなら、それでいいですね」
柴田さんはうんうんと頷きながら言った。
「じゃ、桜並木の中に行こっか」
そう言って私たちは桜並木の中を歩いた。
降り落ちてくる桜色の花びらの雨。そして、その降り落ちた花びらの雨が地面に集まり、一面桜色の絨毯になっていて。
周りの全てが桜色に染まっていて、なんだか異世界に飛び込んだようなそんな気分になる。
「毎年見に来てますが、ほんと…ここの桜たちを見に来るたび、キレイ以外の言葉がでてきましぇんね…」
「うん…」
「ひらひら~♪にゃ~♪」
それぞれ、桜並木を楽しみながら素敵な散歩ができたのでした。