私の休日に、わちゃわちゃと賑やかなぬいぐるみたち。③
「スネービーー!どこにいるのー?」
「スネービーいたら返事してくだしゃーい!」
「スネービィ~?」
「スネービーさーん!」
「スネービー殿~!」
ぬいぐるみたちと一緒に、いなくなったスネービーを探す。布団の中やベッドの下、押入れやクローゼットの中。部屋を一つ一つ丁寧に探すけど…スネービーはどこにも見あたらない。
「ねえ誰か、スネービーを最後に見たのはいつか分かる?」
私がそう言うと。
「えーっと…確か、今日はいっぱい眠る日だったのか、ねぼすけなママが起きた後も、スネービーはベッドで寝てたと思いましゅ」
と、くまくまがアゴにふあふあの手を当て、考えるポーズを取りながら言った。
スネービーはきほん、いつも誰よりも早くに起きてる。けど時々何故か、揺すったり抱き上げたりしても起きない時がある。
「ねぼすけは余計だわ。でも、ベッドのところも探したけどいなかったしなぁ。他には?その後のスネービーを見てない?」
ぬいぐるみたちにそう聴くけど、みんなふるふると首を横に振る。
スネービー…ほんとにどこ行っちゃったのよ。外─は、あの子臆病な子だから、ひとりでは出ていかないと思うし~…ベッドで寝てたのが最後…か。
「…他に、探してないところとか隠れられそうなところ…私の鞄の中とかも見たしなぁ…」
う~ん…と、眉間にシワを寄せながら考えていると。
「んねぇ~え、あっちは探したっけ?あ、でももう回ってるもんね~」
と、うさろんが言った。
「…回ってる……?」
はっと、私は思い出す。そういえば、ベッドの上にあった、今朝脱ぎ散らかしたパジャマがあって、それを洗濯かごに入れて、そしてそれを…洗濯機に放り込……
「そうか!?洗濯機!?」
私は慌てて洗濯機のあるお風呂場に向かう。もしかしたら、その脱ぎ捨ててたパジャマにくるまって寝てるかもしれないと思った。そして、慌ててる理由は…さっき、洗濯機を回してしまったからだ。
ぬいぐるみたちを洗濯機に入れても、溺れたりはしないけど…ぬいぐるみたちにとって、洗濯機で回されるのはとても怖いそうで。
「スネービー!?」
私は急いでお風呂場に行き、洗濯機の蓋を勢いよく開けた。そこには…
「…なんだ、まだスイッチ入れてなかったのか」
洗濯機に洗濯物と洗剤を入れたけど、スイッチを入れ忘れてたみたいで。
「ああそっか、さっき洗濯しようとしてる時にうさろんに呼ばれて…柴田さんたちのケンカを止めに行って…」
まだ回していない洗濯機に手を入れ、がさごそと洗濯物を探ると…
「…!いた」
私のパジャマにくるまったスネービーが、洗濯機の中から出てきた。パジャマにくるまるスネービーを持ち上げると、スネービーは何事もなかったようにふわぁ~…と大あくびをした。
「…おはようございますママさん…って、どうかしたんですか?」
きょとんとした顔をする、スネービー。
「はぁ~…良かった~…」
と、私がほっとため息をつくと…背筋がゾクリとした。恐る恐る…後ろを振り向くと、ゴゴゴゴと怒りで燃え上がる柴田さんがいた。
「柴田さん…あの…」
だらだらと汗をかく私。そして。
「ほらーーーー!!!だからいつも、服をあっちこっちに脱ぎっぱなしにするなって言ってるでしょうがあああああ!!!」
「ヒイイイ!ごめんなさーい!!」
柴田さんのお叱りを受けるなか。
「???何ですか?何があったのですか?」
1人だけこの状況を知らないスネービーは、私の両手の上でオロオロとしていた。
*お知らせ*
毎週月・木曜日投稿でお送りしてましたが、次回からは、毎週月曜日のみの投稿にします。
読んでくださりありがとうございました。