私の休日に、わちゃわちゃと賑やかなぬいぐるみたち。②
はぁ~…と溜め息をつくと私は。
「…あのねちゃとにゃん、みんなそれぞれ違うの。ちゃとにゃんにはちゃとにゃんのスピードがあって、柴田さんには柴田さんのスピードがあるの。だから、絵本を読む時間が遅いとか無いの。…でもそうね、ちゃとにゃんもこの絵本を早く読みたかったんだよね。ちゃとにゃんもこの絵本、大好きだもんね」
私がちゃとにゃんの頭を撫でながら言うと、こんく。と、涙眼で頷いた。
「なら、柴田さんが読み終わるまで待ってようね」
にこりとちゃとにゃんに微笑みながら言うと、ちゃとにゃんはまた、こくん。と小さく頷いた。
「柴田さんも。ムカついたからって殴りかかったりしちゃダメだよ。わかった?」
柴田さんに言うと、涙を拭きながら「…はい」と、小さく頷いた。
「この絵本、素敵だよね。私も大好きで、子供の頃は毎日のように読んでたな」
「そうなんですか?」と、柴田さん。
「うん、そうだよ」
「素敵…です。僕もすごく大好きな絵本です」
「そっか、それはよかった」
そして。
「…ごめんにゃ、柴田殿。トロい…なんて言ってしまって」
「…ううん、僕の方こそごめんなさい。その…絵本、先に読んでいいよ」
「ううん、我輩は柴田殿が読み終わるまで待つにゃ。その間、他の絵本を読んでるにゃ」
「そっか、ありがとう」
ちゃとにゃんと柴田さんは握手するかのように、綿の手と綿の手をぺポッと、くっつけた。
どうやら、仲直りしたようだ。
ほっと、ひと安心した、時。
「あの~…誰か、スネービー見てましぇんか?どこ探しても、スネービーの姿が見えないんでしゅよ」
ぽぴゅぽぴゅと、くまくまはリビングに入ってきて困った顔をしてそう言った。
「ええ!?今度はスネービーなの!?」
も~…と、私は溜め息混じりにそう言った。