もふもふたちとぼーっとお月見。
夜。
仕事から帰ってきて、ベランダで洗濯物を取り込んでいると。
「あ、月だ。今日は雲があまりないから、綺麗に見える」
取り込んだ洗濯物を入れたカゴを足下に置き、ベランダの手すりにもたれかかった。
「はぁ~…見たかったな…あれ」
夜空を煌々とやさしく照らすお月さま。私がお月さまをぽーっと見上げていると。
「なんでしゅか?お月様を見てるんでしゅか?」
と、くまくまたちがぽぴゅぽぴゅと歩いてきて、ぴょんすぴょんすと私の体に飛びついた。
「ん~、ちょっと前にあった皆既月食見たかったなぁっさ」
「皆既月食って何ですか?」
と、柴田さんが聴いてきた。
「ん~…私もあんまり詳しくはわかんないんだけど、とってもめずらしいお月さま?みたいな。442年ぶりだったみたいでさ~」
「へ~そんな大昔ぶりなんだね~。でも、何で442年ぶりとかってわかるのかな?」
と、うさろんが聴いてきた。
「ね~、何で分かるんだろうね。そういう記録が残ってるのかな?だとしたらすごいよね~400年も前の記録が残ってるなんてさ」
「こうしてわたしたちが月を見上げてお話ししている間にも、もう過去になりそして、未来に進んでるのですよね」
と、スネービーが言った。
「おお…スネービー深い」
「はは、ありがとうございます」
スネービーは照れ笑いながらそう言った。
「母上は月が好きなんだにゃ?」
と、ちゃとにゃんが聴いてきた。
「うん、やさしく夜を照らしてくれるから、大好き」
肩や頭にぬいぐるみたちを乗せながら、ぬいぐるみたちとぼーっとお月見する。
過去と未来の間に佇みながら。
皆既月食見たかったな~。
今度は322年後!
…遠いな~(笑)