もふもふたちを、たかいたかいする。
ゴウン……ゴウン……
洗濯機の回る音が聞こえてくるなか。
「さーて……私ともっと遊びたいひと~!」
と手を上げて、私がみんなに聴くと「はーい!」とぬいぐるみたちは元気良くもふもふな手を上げ、きゃいきゃいと嬉しそうにはしゃいだ。
「じゃあ、何して遊びたい?あ、もう鬼ごっこは勘弁してね」
私がそう聴くと。
「かくれんぼしたいでしゅ!」
と、くまくま。
「我輩はかけっこしたいにゃっ!」
と、ちゃとにゃん。
「おままごと♡」
と、うさろん。
「わ、わたしは、ママさんと遊べるなら何でも良いです……」
と、スネービー。
「はいっ!僕はたかいたかいと、だっこして振り回されるやつがいいです……はっ!いっ、いえ、僕は子供じゃないので、別に遊びたくないのですが……お遊びに付き合ってあげてもいいですよ」
と、柴田さん。すると、私は。
「へぇ~?別に、無理して私たちに付き合わなくてもいいんだよ、柴田さん」
と、いぢわるっぽく言ってみると。
「う……ぐっ!ぼ、僕もみんなと……ママと遊びたいです!ママにいっぱいたかいたかいされて、ギューってされたいです!」
と、すぐに観念して、柴田さんは顔を真っ赤にさせながら、かわいらしい本音を大声で言った。
「ふはっ、ほんとかわいいな~柴田さんは。ごめんね、いぢわる言って」
私は柴田さんを抱き上げ、ぎゅーっと抱きしめた。私が抱きしめると「はわわわ!」と、柴田さんは変な声を出す。そして。
「はい、たかいたかーい!」
柴田さんのもふもふの体を、天井の方へと優しくぽいっと投げた。柴田さんはまた「はわわわ!」と変な声を出す。投げてはキャッチ、投げてはキャッチを繰り返す。すると、普段ツンツンしてる柴田さんは、キャラを忘れてきゃっきゃと楽しそうにはしゃぐ。
「いいな~!ボクもボクも!」
「うさろん次やりたーい♡」
「我輩も投げてくれにャー!」
「わ、わたしも、たかいたかいとぎゅーされたいです」
「はいはい、順番ね」
ほかのぬいぐるみたちも順番にたかいたかいをして、その後はみんなをぎゅーっと抱きしめながら、ぐるぐると回ると、みんな楽しそうにキャッキャとはしゃいだ。
ぐるぐるすると目が回って気持ち悪くなったけど、ぬいぐるみたちが楽しそうだからいっか。