まどかの追及
「だいたい、ママとケンジ君、なんだか怪しいと思ってたんだよねー」まどかが、形勢逆転して、おばさんに詰め寄った。
「この前、私が塾に持って行くノート忘れてて取りに戻った時も、家の鍵かけて、二人だけでいたし……」
「……」おばさんは、自分の追及していたことも忘れ、沈黙したまま、『チラッ』と僕の方を見た。
「なんか、二人で、いけないことしてたんじゃないの……?」明らかに、まどかの方が優勢になっていた。
しかし、僕にとっては、どちらが勝っても負けても、結果は同じことだった。
「まどかちゃん、何、はしたないこと言ってるの!」おばさんは、恫喝で、今の自分の窮地を逃れようとした。
まどかは、それに動じなかった。「あ~ママ焦ってる。図星なんでしょ?」
「そんな……だいたい、ケンジ君が、こんなおばさん相手にするはずないでしょ?……ねえ、ケンジ君?」
劣勢に回ったおばさんは、急に僕に助けを求めて来た。
僕は、慌てて「あっ……まあ……あっ……いえ……」どう答えても、おばさんに悪い気がして、答える言葉が見つからなかった。
「だいたい、そんな失礼なこと言ったら、ケンジ君が気を悪くするわよ……」おばさんが、最後の反転攻勢に出ようとしたが、「だって、最初にケンジ君に失礼なこと言ったのは、ママの方でしょ?」と、あえなく、まどかに撃沈されてしまった。
その場に居た僕は、親子の……というよりも、女どおしの恐ろしい口撃を見せられ、自分のおちんちんを切り落とされるよりも、もっと強い恐怖を感じていた。




