表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の性日記Ⅱ  作者: 水野 流
Ⅵ章 祭の後
93/146

高校生の現実


その日は、いつものように裸になって抱き合うなどという気分には、二人とも到底なれず、もし本当に妊娠していた場合のことについて、話し合った。


「まどか……もしさ、妊娠してたら、どうするつもり?」僕は、単刀直入に、そうまどかに訊ねた。


「どうするって……?」まどかは、無責任な僕の問いかけに、僕の顔を見ると、黙り込んだ。


「ケンジ君は、どうして欲しいの?」逆に、まどかが、その無責任な僕に問い直してきた。



「どうして欲しいって……そりゃあ、俺たち、まだ高校生だから……」その先は、言えなかった。


『産め! 俺が高校辞めて働いて、お前と子供を養うから』そう言えば、格好もよかったのかもしれない。

しかし、そう、出来そうにもないことを軽々しく言う方が、余計に無責任な気がして、それも言えなかった。



「そうだよね……私たち、高校生だよね……」まどかは、下を向いてそれだけ言うと、自分のお腹をさすりながら、またしても嗚咽した。


『ポタポタ』と畳の上に、まどかの涙が落ちた。


僕は、そんなまどかがいたたまれなくなり、そっと自分の胸に抱き寄せた。

そのとたん、まどかは僕の胸に自分の顔を押し付け、そして堰を切ったように、先ほどにも増して大泣きをした。


僕の着ていたTシャツが、またすぐにまどかの涙で、びしょびしょになった。


まどかは、僕の胸でひとしきり泣くと、「もう、大丈夫……」と力なく言って、僕の胸から顔を外した。



「私、このことは、ママには内緒にしておく」


まどかの母親の前で、罵倒されながら土下座をして許しを請うことを想像していた僕は、その言葉に、少し『ホッ』とした半面、『僕たちだけで何とかできるのか?』と不安になった。



「内緒にするって……お母さんたちに、正直に話して協力してもらわないと、俺たちだけで、なんともできなだろ?」自分で自由にできる大金を持たない僕は、自分の失敗に親たちを巻き込むことを考えていた。


そんな僕の問いかけに「だって、こんなことママに言ったら、ママびっくりして気絶しちゃう……絶対に、ダメ!」


「『ダメ!』って言っても……」


「大丈夫、お金ならさっき言った通帳にいくらかは入ってるから……それに、夏未ちゃんも、もし、本当にそんなことになったら、協力してくれるって言ってくれてるし……私たちだけで、何とかしよう……」


僕は、一抹の不安を残したまま、とりあえず、まどかの言うとおりにすることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ