表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の性日記Ⅱ  作者: 水野 流
Ⅲ章 いじめ
43/146

セイジツさんの差配


その日、弁当を食べていると、中村先生が教室にやって来た。


「みんな、メシ食っているところ悪いが、少し先生の話を聞いてくれ。今日、父兄の方が、『このクラスで、いじめが行われているんじゃないか?』と心配して、相談に来られた。

もちろん、先生は、そんなことはないと否定したし、皆がそんなことするはずはないと信じている。しかし、そう、心配されている父兄の方がおられる以上、このことを、そのまま放置するわけにはいかない。これから、少しづつ、皆にも協力してもらって、いろいろな目線からの話を聞かせてもらいたい。それで、昼休みに時間を取らせて悪いが、まずは、まどか、弁当を食べたら、職員室に来てくれ。そして、今日の授業が終わったら、夏未、お前が来てくれ。その後、ケンジお前だ。お前も、何か『放課後相談事がある』と言ってただろ。その話も、その時聞くから……」



そういう、中村先生の話を聞いて、箸を止めて聞いていたみんなが、少しざわつき始めた。


「まあまあ、静かに、あくまでも、参考で、皆の話を聞かせて欲しいということだから……そんなに、気がまえなくても……早めの個人面談とでも思ってくれればいい……」

そう言って、中村先生は教室のみんなに動揺しないよう言った。


その時、夏未が不満そうに「先生、なんで、私なんですか?」とキレ気味に質問した。


それを聞いた中村先生は「別に、『お前が』ということではない。『お前にも』聞きたいということで、話を聞く二番手ということだけだ。今日都合が悪ければ、明日以降でもいいぞ。都合悪いんなら、ケンジを二番手にしようか?」そう言って、逆に夏未に質問した。


夏未は、僕が先に中村先生と話し、自分のいじめの真実をバラされるとまずいと思ったのか「別に、今日でいいです」と答えた。


「それなら、授業終わったら、職員室に来てくれ。ケンジはそれが終わったら、先生が呼びに来るから、教室で待っててくれ」と、先生は言った。


父兄からいじめの相談を受けたこと、僕が放課後相談があると言っていたこと、そして、何よりも、とりあえず、ごまかしたとはいえ、いじめの当事者二人を一番手と二番手の事情聴取者に指名したことは、父兄の相談内容をバラしたようなもので、僕は、唖然とした。

この件を、ずっと一人で抱え込んでいたまどかの思いも同じなのではないかと思った。


ただ、このことで、どん詰まり状態だったまどかへのいじめ問題は、その解決に向け、少しずつ動き始めたようにも思えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ