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まどかの怒り
次の日、僕は、学校へいつもより早く行き、職員室に行って、中村先生に「相談事があるから、放課後、聞いてください」とだけ、お願いして教室に戻った。
自分の席に座っていると、夏未が登校してきた。昨日のことがあり、少し気まずかったのか、僕の方を一瞬『チラッ』と見ただけで、自分の席に座った。すぐに、女子が夏未のところに集まり、毎朝の光景が始まった。
少しして、まどかが、教室に入って来た。もう、誰にも「おはよう」とは言わず、無言だった。
いつものように、黙って自分の席に座るのかと思ったが、その日は、そのまま、僕の席にやって来た。
「ヒカル君、もう、私には構わないでって言ったでしょ……」
昨日、おばさんにいじめのことを話したのを怒っていたのだ。
僕は、突然のまどかの怒りに、返す言葉もなく、ただ黙っていた。
そんな様子を、夏未たちの一群は、少し驚いて見ていたが、まどかが自分の席に着くと、すぐにヒソヒソ話を始めた。
男子たちも、そんな意外なまどかの様子に、驚いていた。




