合格発表
中学の卒業式も、無事に終了し、僕たちにはしばしの休息の日々が訪れた。
しばしの休息と言っても、早めの春休みに入っただけで、卒業式の数日後には、『受験に落ちたかも?』と思っていた僕には恐怖の合格発表の日が待っていた。
僕は、僕を誘いに来た、同じ高校を受けた、山田君たちと一緒に、合格発表を見に行った。
そこには、すでにまどかも友達数人と、発表を見に来ていた。
発表の時間になり、合格者の番号と名前の書かれた紙が僕たちの前に張り出された。
(個人情報管理の緩かった当時は、発表にはしっかりと個人名が書かれ、しかも、次の日の地方新聞には学校ごとに合格者の名前が書かれた紙面が号外として入っていた。)
いたるところで「やったー」という、歓喜の声が上がった。僕たちの中では、まずは、まどかが自分の名前を見つけ「きゃー、あった」と言って飛び上がっていた。
「私もあった」「私も……」まどかの一群の女子は、みんな合格できていたようで、みんなが手を取り合って「きゃーきゃー」言いながら飛び上がっていた。
僕は、そんな女子の様子を横目に見ながら、ゆっくりと、そして『ドキドキ』しながら、自分の名前を探した。
そんな僕に、自分の名前を見つけた山田君が、「ケンジ、お前もとおっとるやん」と言って、僕の合格を教えてくれた。
その山田君の指さすところを見ると、確かに『32番 光 賢治』と書かれていた。
僕は、思わず「やったー」と言って右手の拳を大きく上にあげ、ガッツポーズをした。
「ケンちゃん、あったじゃん……」いち早く、僕の名前も見つけてくれていたまどかが小躍りを続ける女子の一群を離れ、僕のところに来ていた。
「よかったね……これで、来月からも、同じ学校だね……これからも、よろしくね」
「うん、よかった……こちらこそ、よろしく」
僕は、思わず、まどかの両手を取り、女子のようにまどかと一緒に小躍りをした。
そんな、二人の様子を山田君たちが「なんだよ、お前ら……」と笑いながら冷ややかに見ていた。




