内田の決心
僕が部活に行くと、昨夜、山田君ちに来ていた奴らが固まって『ワイワイ』騒いでいた。
何事かと思い僕がそこに行くと、僕を見つけた内田が「おう、ケンジか?お前も泊まったらよかったのに……お前が帰った後、まどかとセックスする話で盛り上がって楽しかったぞー……」と嬉しそうに言った。
すると、横にいた山田君が「こいつ、まどかが退院してきたら、『付き合ってください』って言うんだって……そして、この夏休み中に童貞捨てるんだと……」と昨夜こいつらが盛り上がっていた空想話を教えてくれた。
「イヤ~ン、恥ずかしい……」内田がふざけて言った。
僕は、またしてもこいつらが、まどかを性の対象として盛り上がっていたことに腹が立った。
「そいでさ……その、俺が告る前準備として、今日部活が終わったら、みんなでまどかの見舞いに行こうって話になってるんだ。よかったら、お前も来ないか?」内田が言った。
「見舞いって、まどか、そろそろ退院するんじゃないか?」僕は、不機嫌に訊ねた。
「それは大丈夫、さっき美香に確認したら、退院は明日だって……だから、今日が、俺が童貞捨てるためのラストチャ~ンス!」内田は、今日まどかの見舞いに行けば、まどかと付き合うことができ、そしてその流れでセックスもできるという自分の勝手なストーリーを描いていた。
周りを囲んでいた奴らは、その内田の勝手な妄想を聞いて、「うわ~!!!おめでとう~!!!」と手をたたいて盛り上がった。
僕は、こいつらのバカさ加減に、すでに怒る気力さえも失せていた。




