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僕の性日記Ⅱ  作者: 水野 流
Ⅷ章 落
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戻って来たまどか


夜が白々と明け、通勤の人たちで、公園と寮との間にある道路がにぎやかになって来た頃、一台の単車が寮の駐輪場に戻って来た。


それは、僕たちが待ち焦がれたまどかだった。


少し、眠りかけていたおばさんは、慌てて目を覚ますと、車を降りて、まどかのもとへ駆け寄った。


僕たちを見たまどかは、初め驚いた顔をした。


そして、僕たちを無視して、寮の中へ入ろうとした。



そんなまどかの手を取り、おばさんが引き留めた。

「待って、まどかちゃん……ママが悪かったわ! あなたたちが付き合ってるなんて知らなかったから……」


それを聞いたまどかは、初め黙っていた。


しかし、おばさんが、泣きながら強い力でまどかの手を引っ張るもんだから、まどかはついに

「当たり前でしょ?知ってて、あんなことされたら、たまったもんじゃないわ!……痛いから、手を放してよ、ママ!!!」と声を荒げた。


それを聞いて、おばさんは、慌てて掴んでいた手を離した。


「どこへ行ってたの? ママ、心配したのよ……」


そのおばさんの問いかけに「心配しないで、ママが心配するようなところじゃないから……あのアパートのすぐ近くに住んでる女友達のところ。そこで、寝かせてもらったの」


まどかは、そう言ってから、僕の方を見ると「ケンジ君も、待っててくれたの? せっかくだから、少し話しする……?」と聞いた。


僕は、予想外のまどかの言葉に、小さく「あっ……ああ」と頷いた。


おばさんは、自分もその話に加わりたそうだったが、「ママは、私の部屋で休んでて、昨日遠いところからきて、一睡もしてないんでしょ?ベッドで、横になってていいから……」まどかは、そう言って、おばさんを気遣った。


「一緒に、部屋まで行くわ。悪いけど、ケンジ君は、少しそこで待ってて」そう言うと、泣き続けるおばさんの肩を抱いて、寮の中に消えた。


僕たちの中では、まどかが一番落ち着いているように感じた。


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